2013 Fiscal Year Annual Research Report
亜寒帯外洋域における春季植物プランクトンブルームに対する動物プランクトンの応答
Project/Area Number |
13J00293
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
阿部 義之 北海道大学, 大学院水産科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 亜寒帯外洋域 / 春季植物プランクトンブルーム / 動物プランクトン / 個体群構造 / 短期時系列変動 / 飼育実験 / 同化効率 |
Research Abstract |
本研究は研究サブテーマとして以下の3つを設けている。 1. OECOS固定試料解析(サブテーマ1 : S1) 2. 飼育実験解析(サブテーマ2 : S2) 3. 主要動物プランクトン個体群動態モデルの開発(サブテーマ3 : S3) 以下に各サブタイトルの実施状況の詳細を記す。 ・大型動物プランクトン固定試料解析(S1)2007年3-5月にBONGOネットで採集された高頻度連続採集試料から、最初にクラゲ類の中で優占するAglantha digitaleについて個体群構造解析を行い、得られた結果をまとめ国内学会で発表した。本研究の内容で学術論文を執筆中で、国際誌に2014年4月中に投稿予定である。また他の優占分類群である端脚類の検鏡解析も終了し、優占種の4種について、個体群構造解析や水塊変動との相関、種間による差などの解析を現在行っている。これら端脚類の結果は、2014年度国内学会で口頭発表を行う予定である。 これら分類群毎の解析の手法を取得するために、北里大学海洋生命科学部の田雄一郎講師(端脚類)、東北区水産研究所の宮本和臣研究員(ヤムシ類)、東京農業大学生物産業学部の中川至純助教(オキアミ類解析、胃内容物解析)のもとで各1週間程度研修を行い、大型動物プランクトン解析手法を取得し、OECOS固定試料解析に活かすことができた。 ・動物プランクトンの飼育実験解析(S2)および主要動物プランクトン個体群動態モデルの開発(S3)飼育実験により得られた植物プランクトン種によってカイアシ類の同化効率が異なる関係式と、その式を組み込んだ動物プランクトン(カイアシ類)の個体群動態を表現するモデルのLagrangian Ensemble Model (LEM)の結果を国内外の学会大会にて口頭発表を行った。さらに本研究の内容を学術論文としてまとめ、国際誌に投稿し、受理印刷された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で設けている3つのサブテーマいずれもほぼ予定通り進行しており、現在のところまで研究計画の大幅な変更や遅延などの問題はないと考えている。平成25年度で学術論文4報と学会発表6回を行ったことも研究が順調に進行していることを裏付けている。
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Strategy for Future Research Activity |
全体としては現状の方策のままで十分に研究計画を完遂できると考える。今後は残りの動物プランクトン分類群の顕微鏡解析をすみやかに行い、得られた各動物プランクトン分類群の春季植物プランクトンブルームへの短期変動の解析だけでなく、動物プランクトンデータと物理モデル(ROMS)などを組み合わせて評価していきたい。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Seasonal changes in body size and oil sac volume of the three planktonic copepods, Paracalanus parvus (Claus, 1863), Pseudocalanus newmani (Frost, 1989) and Oithona similis (Claus, 1866), in a temperate embayment : what controls their seasonality?2014
Author(s)
A. Daichi, A. Yamaguchi, Y. Abe, K. Matsuno, R. Saito, H. Asami, H. Shimada and I. Imai
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Journal Title
Crustaceana
Volume: (印刷中)
Peer Reviewed
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