2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J00297
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
難波江 裕之 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 粘弾性測定 / 非線形粘弾性 / 電磁アクチュエータ / 変位拡大機構 |
Research Abstract |
粘弾性体は, 工業分野や医療分野をはじめとして様々な分野で使用されており, その需要はますます高まってきている. 粘弾性体の多くは"柔らかい"物体であり, その多くが使用時に大きな変形を伴って使用されることが想定されるが, そのような大きな変形が起こった際の粘弾性特性, すなわち非線形領域での粘弾性特性については測定法・評価法ともに十分整備されているとは言い難い状況である. 本研究では, ゲルやエラストマといった"柔らかい"粘弾性固体を対象とし, 非線形領域を見据えた粘弾性特性の測定及び評価法の開発を1. 粘弾性測定装置, 2. 粘弾性特性の評価法, 3. 粘弾性の校正標準の3項目に分けて進めている. 本年度は, 粘弾性測定装置に関する項目について重点的に研究を行っており, 動的粘弾性測定における加振を実現するアクチュエータとして有用な変位拡大機構と電磁吸引力を組み合わせた新しい電磁アクチュエータの提案を行った. 本アクチュエータは変位拡大機構を用いることにより, 磁極間距離が小さいときの強力な電磁吸引力をより長いストロークで利用するものであり, 電磁アクチュエータの持つ耐環境性を維持しつつ, 高速応答を実現可能であると期待できる. また, 一体構造での作製が可能であり, その構造の簡便さから小型化にも有利だと思われる. 本アクチュエータに関しては, 試作機による駆動実験に成功している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定機本体の要である加振用の新型アクチュエータの駆動実験に成功し, 良好な結果を得ているとともに, 粘弾性パラメータの同定手法についても一定の結果が得られており, おおむね順調に進行していると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに, 粘弾性測定装置のアクチュエータ及び制御手法, また粘弾性パラメータの推定法に関して一定の成果を上げており, これらの成果を元にこれらの要素技術を統合することにより, 総合的な"粘弾性測定システム"の開発目指す. また, 未だ検証途中である粘弾性測定用の校正器についても検証及び検討を重ねていく. さらには, 開発した粘弾性測定システムや要素技術の更なる検討を通じて, 問題点の解決や応用について検討を進めていく.
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Research Products
(5 results)