2014 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ近交系を用いた集団内の行動多様性を生み出す遺伝的基盤の探索
Project/Area Number |
13J00423
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪子 理美 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | メダカ / 行動遺伝学 / 近交系 / QTL解析 / コンジェニック系統 / スピードコンジェニック法 / 驚愕反応 / 逃避行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
《地域集団内での行動多型の検出》同一の地域集団、異なる集団に属し、様々な遺伝的背景をもつ4つのメダカ近交系を用いて驚愕反応特性を比較した。反応率低下の度合い(慣れにくさ)については、同じ野生集団(新潟集団)に由来するN2系統とHNI-I(N1)系統の間でも差が見られた。新潟集団の個体の「慣れにくさ」を定量したところ、N2と同程度の高い値から、N1よりも低い値までを示した。このことは、異なる地域集団間だけでなく、同じ集団内の個体間にも、遺伝的背景の異なる行動多型が存在する可能性を示唆している。 《「慣れにくさ」に単独で寄与するゲノム領域の絞り込み》私はこれまでに、N2系統とHd-rR-II(R)系統の間の「慣れにくさ」の差異に関わる候補ゲノム領域を、16番染色体上に同定している。この領域の一部が、単独で「慣れにくさ」に寄与するか調べるため、ゲノムのほぼ全体がRと同じ配列で、16番染色体上の一部の領域のみがN2と同じ配列となっている系統(コンジェニック系統)を作出し、その形質値を元の近交系と比較することにした。選抜交配を行い、N2型に置き換わった領域が少しずつ異なる、3つのコンジェニック系統を完成させた。これらのうち「line C」という系統が、R系統よりも有意に「慣れにくい」形質を示した。このことから、line CでN2型となっている領域の全体、あるいは、他のコンジェニック系統と重複していないN2型の領域が、単独で「慣れにくさ」を規定する可能性が示唆された。 《他のゲノム領域の影響》複数の遺伝子座が関与している可能性を考え、N2とRの孫集団のデータを用いて、2遺伝子座による作用を解析したところ、21番染色体上に、16番染色体とは独立して形質に影響する領域を検出した。21番染色体上の領域の作用は、当該領域のコンジェニック系統を作出することにより、別個に検証できると考えられる。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Presentation] Searching for genes affecting visually-evoked startle response properties with medaka inbred strains2014
Author(s)
Satomi Tsuboko, Tetsuaki Kimura, Minori Shinya, Yuji Suehiro, Teruhiro Okuyama, Atsuko Shimada, Hiroyuki Takeda, Kiyoshi Naruse, Takeo Kubo, Hideaki Takeuchi
Organizer
2nd Strategical Meeting for Medaka Research
Place of Presentation
Research at Casa de la Ciencia, Seville Spain
Year and Date
2014-04-11 – 2014-04-11