2014 Fiscal Year Annual Research Report
回帰数列族の乗法構造の考究と指数型ディオファントス方程式
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13J00484
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 隆史 日本大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 指数型ディオファントス方程式 / 寺井予想 / Baker理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず特別な指数型ディオファントス方程式について研究を行った。A.Togbe氏(Purdue大学)とP.Yuan氏(華南師範大学)との共同研究では、以前にTogbe氏と得た共同研究の結果における定理の仮定を外すことに成功し、拡張した。この結果を査読付き論文として出版させることが出来た。F.Luca氏(Witwatersrand大学)との共同研究では、以前にLuca氏が寺井の予想において確立したBaker理論を用いる新しい手法を、別の指数方程式の族に適用し、結果を得た。それは、特別研究員の以前の研究結果の一つの拡張とみなせる。この結果を査読付き論文として出版させることができた。 また関連する研究として、多項式型と指数型の混合型ディオファントス方程式について研究を行った。ハンガリーのDebrecen大学に研究訪問を行い、A.Berczes氏、L.Hajdu氏、I.Pink氏と共同研究を行った。Schafferによって提起された連続するk乗数の和の累乗性に関する問題を扱い、その部分的な結果を得た。本研究については、桐生市市民文化会館で行われた研究集会Diophantine Analysis and Related Fields 2015および明治大学で行われた日本数学会において発表した。さらに、平田典子氏(日本大学)、T. Kovacs氏(ブダペスト工科経済大学)とNagell-Lguennren方程式に関する共同研究を行った。それは、有名なカタラン予想を含む問題であり、等比級数の和の累乗性に関する問題である。共同研究では、Y.Bugeaud氏、M.Mignotte氏、R.Roy氏、T.N.Shorey氏によって得られていた重要な研究結果の類似とみなせる結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般的にBakerの理論が適用されない多項式型と指数型の混合型のディオファントス方程式について、当初の計画以上に多くの研究機会と結果を得ることが出来た。 さらには、F. Luca氏のBaker理論を用いた新しい手法を、それまで扱いが困難であった指数方程式の族に適用し、解の決定問題について成果を得ることができた。また、当初の予定に無かった国内外の研究者らと共同研究を行う機会を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
多項式型と指数型の混合型のディオファントス方程式における他の様々な未解決問題に関する研究を行い、Bakerの理論の汎用性等に関するより深い考察をすることおよび研究結果を得ることを目指す。特に、項数が最小の場合であるRamanujan-Nagell方程式や一般化されたフェルマー方程式について研究を行いたい。 また、指数型ディオファントス方程式に関連が深い、ディオファントス集合の分野の研究を行いたい。特にその分野の最大の未解決問題であるディオファントス四組の正則性に関して研究結果を得たい。
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Research Products
(6 results)