2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J00520
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北野 匡章 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ホウ素化反応 / カップリング / ポルフィリノイド |
Research Abstract |
サブポルフィリンをひとつのビルディングブロックとして扱う手法を確立し、それを用いて様々なサブポルフィリン多量体の合成を行うことを目標に以下の実験を行った。 まずはサブポルフィリンの新規修飾反応を開発し、更なる機能化を達成するために、サブポルフィリンのβ位選択的ホウ素化反応を行い、メゾフリーサブポルフィリンに対してイリジウム触媒を用いることでこれを達成した。得られたβ位ホウ素化サブポルフィリンを鈴木宮浦反応の前駆体として用いることで、様々なβ位修飾サブポルフィリンを効率よく合成することに成功した。得られたサブポルフィリンの物性は紫外可視吸収スペクトルなどで評価し、β位の置換基から強く摂動を受けていることを明らかにした。 また、メゾメゾ直接結合をもつサブポルフィリン二量体の合成を行い、メゾプロモサブポルフィリンをニッケル触媒によって還元的にカップリングすることにより、72%収率で達成した。サブポルフィリン母核間の回転障壁をプロトンNMRから見積もることにも成功した。この二量体は隣り合うサブポルフィリン母核間で励起子カップリングし、可視光を幅広く吸1収することがわかった。 更にβ位にエチニル基が導入されたサブポルフィリンを用いてカップリング反応を行い、β位ブタジイン架橋サブポルフィリン二量体の合成も成功した。β位ブタジイン架橋サブボルフィリン二量体にはアキシャルが同じ向きのシン体と反対向きのアンチ体が存在することを確認し、これらの構造の違いとそれに基づく物性の差に関しても、X線構造解析やプロトンNMR、紫外可視吸収スペクトルによって評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブボルフィリンのβ位選択的ホウ素化反応を確立し、これを用いた鈴木宮浦反応による修飾反応を開発することに成功した。この反応は基質適用範囲が広く、サブポルフィリンを機能化する方法として信頼できるものであった。また、メゾメソ直接結合サブポルフィリン二量体とβ位ブタジイン架橋サブポルフィリン二量体の合成にも成功し、それらの物性を明らかにした。おおむね当初の計面通りの実験結果を得ることに成功したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も現在と同様に、サブポルフィリンの新規修飾反応の開発およびサブポルフィリン多量体の合成を指向して研究を行っていく。またビラジカル性をもったサブポルフィリンといった機能化サブポルフィリンの合成にも精力的に取り組む。
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Research Products
(5 results)