2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J00520
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北野 匡章 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ホウ素化反応 / カップリング / ポルフィリノイド / ピンサー錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
サブポルフィリンをひとつのビルディングブロックとして扱う手法を確立し、それを用いて様々な機能化されたサブポルフィリンの合成を行うことを目標に以下の実験を行った。 昨年度β位ジホウ素化サブポルフィリンの合成は達成していたが、サブポルフィリンの更なる精密合成のためにはサブポルフィリンのモノホウ素化反応が重要だと考えられる。そこでホウ素化反応の試薬の当量を検討することにより、β位モノホウ素化サブポルフィリンの合成を行い、最適条件を見出した。 β位ジホウ素化サブポルフィリンを出発原料として出発原料としてoxoneによる酸化を行い、2,13-ジヒドロキシサブポルフィリンを合成した。得られた2,13-ジヒドロキシサブポルフィリンは、溶媒の極性に応じてケト体およびエノール体になることをプロトンNMRおよび紫外可視吸収スペクトルの測定により明らかにした。 また、β位ジホウ素化サブポルフィリンを出発原料として、鈴木宮浦反応によりβ位ジピリジル化サブポルフィリンの合成を行った。得られたβ位ジピリジル化サブポルフィリンに対してパラジウムおよびプラチナの金属塩を用いた錯化反応を行い、NCN型サブポルフィリンピンサー錯体の合成に成功した。得られたサブポルフィリンピンサー錯体は、紫外可視吸収スペクトルが大きく長波長シフトすることを明らかにした。このサブポルフィリンピンサー錯体は触媒として機能も期待されており、非常に重要な化合物群だといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブポルフィリンのジホウ素化に続いてモノホウ素化を確立し、oxone酸化などの変換反応を開発することに成功した。サブポルフィリンピンサー錯体の合成に成功し、それらの物性を明らかにした。これらの化合物群はサブポルフィリンの機能化という点で重要であり、おおむね当初の計画通りの進展をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主にサブポルフィリンピンサー錯体の物性発現を指向した研究を行っていく。その中でピンサー錯体ならではの触媒能などを確認していく。また他の機能化サブポルフィリンの合成にも取り組む。
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Research Products
(6 results)