2013 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞の成熟・機能維持における大Maf転写因子群の役割
Project/Area Number |
13J00759
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
越田 隆介 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大Maf転写因子群 / MafA / MafB / 糖尿病 / 膵β細胞 / Angiopoietin-like protein 7 / CRISPR-Cas system |
Research Abstract |
我々は以前、大Maf転写因子群の1つであるMafAが、β細胞の正常なインスリン分泌や膵島の組織構築に必須であることを明らかにした。しかし、MafAの標的遺伝子や、病態との関連については、不明な点が多く残されていた。そこでmicroarray解析を行い、MafAの標的遺伝子の候補をいくつか拾い上げた。本研究では、その中でもAngiopoietin-like protein7 (ANGPTL7)を有力候補とし、解析を開始した。まず、CRISPR-Cas systemを用い、ANGPTL7遺伝子の変異マウスを複数系統作製した。現在、個体数を増やすとともに、変異マウスの耐糖能の評価や組織学的な解析を開始している。 また、別の大Maf転写因子群の1つであるMafBにも着目し、研究を開始した。MafBは、胎生期・新生仔期において膵β細胞で強く発現している。我々は以前、MafB全身欠損マウスを作製したが、生後数時間以内に死亡するため、十分な個体解析を行うことができなかった。本研究では、まずCre-loxP systemによるコンディショナル欠損マウスを作製した。MafB遺伝子がloxP配列で挟まれたアレル(floxedアレル)が生殖系列に伝達されたことを確認した。当研究室は、膵β細胞特異的Cre発現マウスとして、インスリンプロモータ制御下Cre発現マウス(Ins-Cre BACマウス)を所有しており、既にfloxedマウスと掛け合わせ、個体数を増やしているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、MafA標的遺伝子の候補であるANGPTL7遺伝子の変異マウスを入手でき、またMafB遺伝子のコンディショナル欠損マウスも入手できた。来年度より、すぐに解析に着手でき、新しい知見を得られると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ANGPL7変異マウスのin vivo解析 : CRISPR-Cas systemによって得られたANGPTL7変異マウスを用い、耐糖能の評価や組織学的な解析を進める。 2)MafBコンディショナル欠損マウスのin vivo解析 : 膵β細胞特異的MafB欠損マウスを用い、耐糖能の評価や組織学的な解析を行う。 それぞれのマウス対して、妊娠や高脂肪食など、種々のストレスを与えた実験も行う。
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