2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J00860
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 輝 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 大腿四頭筋 / 表面筋電図 / 振動刺激 / 神経筋活動 |
Research Abstract |
本研究はヒトの大腿の深層にある中間広筋や大内転筋に着目し, 自転車運動時においてそれらの神経筋活動について検討するものである. 身体運動時の中間広筋や大内転筋は, 他の筋と異なる活動パターンを示すことが先行研究によって示されてきた. 大腿部の深層筋である中間広筋や大内転筋の神経筋活動を調べることは, 身体運動時の大腿筋群の制御機構を理解する上で重要である. 以上のことから, 本研究の目的は, 表面筋電図を用いて中間広筋の神経筋活動を記録して, 身体運動時の中間広筋の具体的な役割を検討することであった. 自転車運動中の中間広筋や大内転筋を含む大腿部から表面筋電図を記録する実験を行った. 運動強度は最大負荷運動時の20%-100%であった. 実験から得られた筋電図振幅値は, 最大負荷運動時のそれを100%として標準化された. 大腿筋群から検出された活動パターンに因子分析を施すことで, 自転車運動中の大腿部における7つの筋協調について検討した. 因子分析により2つの因子が抽出された. 1つ目の因子において, 中間広筋を含む大腿四頭筋の4筋と大内転筋の因子負荷量が有意に高値であった(>0.4). 2つ目の因子において, 大内転筋とハムストリングスの因子負荷量が有意に高値であった(>0.4). これらの結果から, 中間広筋は他の大腿四頭筋や大内転筋と協調して活動し, その神経筋活動はペダルを踏み込む動作の序盤に貢献していることが示唆された. さらに, 大内転筋は大腿四頭筋やハムストリングと協調して活動し, その神経筋活動はペダルを踏み込む動作全体に貢献していることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度で予定していたすべての実験を終えることができなかった. 実施予定の実験に関しては, 平成26年度に実施する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
中間広筋の力調節機能について検討するため, 膝関節伸展筋力の変動係数と中間広筋の神経筋活動の関係について検討する. 発揮筋力を安定させるためには, 筋紡錘の感覚神経が重要な働きをしている. 腱や筋への振動刺激は, 選択的にその感覚神経の感受性を低下させる. そのため, 今後は振動刺激装置を用いて中間広筋の力調節安定性について明らかにする.
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Research Products
(13 results)