2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸化還元活性配位子を有する前周期遷移金属錯体の反応性の精密制御による新反応の開発
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13J00904
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
棚橋 宏将 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化還元活性配位子 / タングステン / アルキリデン錯体 / オレフィンメタセシス反応 / 有機ケイ素化合物還元剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
オレフィンメタセシス反応は高分子合成や有機合成において重要な炭素-炭素二重結合形成反応である。シュロック触媒に代表されるモリブデンやタングステンのイミドアルキリデン錯体はオレフィンメタセシス触媒として非常に有用であり、これまでにその反応性や立体選択性を向上させるために様々な補助配位子の導入が検討されてきた。申請者は中心金属の電子的環境に応じて中性のジイミン型からジアニオン性のエン-ジアミド型まで多様な配位形式をとることが可能な酸化還元活性なα-ジイミン配位子に注目し、α-ジイミン配位子を導入したタングステン錯体の合成を行った。錯体合成の鍵段階であるα-ジイミンのタングステン錯体への導入を達成するにあたり、副生物として金属塩を発生しない還元剤として1-methyl-3,6-bis(trimethylsilyl)-1,4-cyclohexadiene (以下、MBTCDと記載)を用いたタングステン錯体の合成法を開発した。MBTCDを用いた合成法を用いることにより、従来法では合成できなかった酸化還元活性配位子を有するタングステン錯体を合成することに成功した。この酸化還元活性配位子を有するタングステン錯体をアルキル化することで合成したアルキリデン錯体ならびにジアルキル錯体は、ノルボルネンの開環メタセシス重合反応触媒となることが明らかになった。以上の研究成果は、Organometallicsに学術論文として発表した他、複数の学会・シンポジウムにおいて発表した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)