2014 Fiscal Year Annual Research Report
南極1.2mサブミリ波望遠鏡による大質量星形成過程の解明
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13J01017
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
今田 大皓 筑波大学, 数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 南極 / サブミリ波・THz波 / 広視野光学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大質量星の形成過程の解明されていない部分のうち、巨大分子雲内で生じる高密度ガスから大質量星に進化する条件を明らかにするため、巨大分子雲を効率よく観測できる広視野望遠鏡を開発している。大質量星形成の解明には高密度領域の温度や密度、速度分布などを調べることが重要であり、そこをトレースできるサブミリ波・THz波の観測を計画している。今年度の研究計画は1. 幾何光学によって得られた設計解を準光学の手法によって評価する、2. 望遠鏡構造の検討であった。今年度の研究は時間のかかると予想される1. からとりかかり、今年度は広視野の電波望遠鏡の設計・評価手法の確立を優先して行なった。 検出器の各素子に対応するビームに対して準光学的な解析を行うのは現実的な時間では終わらず、得策ではない。そこで、必ずしも自明ではなかった幾何光学による評価と準光学による評価の関係を数学的に整理することから始めた。その結果、望遠鏡の光学系の広視野のまま広い周波数帯域を持たせる条件を明確にできた。加えて、幾何光学的な解析から得られる破面の情報から、各素子に対応するビームの能率を計算する手法を確立した。この手法はビームの能率を計算コストの高い準光学的な解析に頼ることなく数%の精度で見積もることができ、設計解を探査する効率を飛躍的に向上させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は光学系の評価に注力し光学設計については今後の研究にとって重要、かつ応用が期待できる結果を得ることができた。一方で、望遠鏡構造の検討はほとんど進まなかったため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに幾何光学による設計を行ない、準光学的な性能を見積もる手法を確立したので、望遠鏡構造にとっても実現しやすい光学設計解を探す。南極という過酷な環境下での望遠鏡設置を実現するには、望遠鏡構造設計と光学設計を切り離して進めることが難しいとわかったため、平成26年度確立した手法を駆使して両者を有機的に結びつけながら設計を進める。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 南極 10 m テラヘルツ望遠鏡広視野光学系の基本設計 (2)2015
Author(s)
今田大皓, 中井直正, 久野成夫, 瀬田益道, 永井誠, 都築俊宏, 新田冬夢, 関本裕太郎, 北本翔子, 小林和貴, 朝倉健, ほか (南極天文コンソーシアム)
Organizer
日本天文学会2015年春季年会
Place of Presentation
大阪大学
Year and Date
2015-03-18 – 2015-03-21
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[Presentation] Optical Designs of a 10-m THz Telescope in Antarctica2014
Author(s)
Hiroaki Imada, Toshihiro Tsuzuki, Tom Nitta, Makoto Nagai, Masumichi Seta, Naomasa Nakai, Shoko Kitamoto, Kazuyoshi Kobayashi, Ken Asakura
Organizer
15th Workshop on Submillimeter-Wave Receiver Technologies in Eastern Asia
Place of Presentation
Hotel Kintetsu Aquavilla Ise-Shima (Japan)
Year and Date
2014-12-15 – 2014-12-17
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