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2014 Fiscal Year Annual Research Report

新規HCV/GBV-Bキメラウイルスによる革新的C型肝炎霊長類モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 13J01032
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

鈴木 紗織  京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
KeywordsHCV / GBV-B / 新世界ザル / キメラウイルス / マーモセット / タマリン
Outline of Annual Research Achievements

「研究目的」
C 型肝炎研究の障害の一つとして適切な感染モデルがないことが挙げられる。本研究ではこのブレイクスルーを目標として、新世界ザル指向性 HCV/GBV-B キメラウイルスの構築を目指している。
「研究実施状況」
1.HCVまたはGBV-B E1, E2発現レンチウイルスベクターを用いたシュードタイプウイルスの作製(in vitro) 昨年度までに、HCVのE1, E2タンパクを発現するシュードタイプウイルス (HCVpp) の作製に成功した。だが、GBV-BのE1, E2タンパクを発現するシュードタイプウイルス (GBV-Bpp)の作製には至らなかった。この原因としては、GBV-B E1, E2遺伝子コドンがウイルス由来であるために、哺乳類細胞では発現できないもしくは著しく低い可能性が考えられた。そこでヒトへコドンの最適化を行うために、オプティマイズしたGBV-B E1, E2を設計し、外部委託にて作製を依頼した。現在は最適化したGBV-B E1, E2を基にタンパクの発現を確認している。
2.GBV-B/HCVキメラウイルス感染実験 (in vivo) 3頭のコモンマーモセットに5'UTRからE2までをHCVに置き換えたウイルス (GBuE2) およびcoreの途中からE2までをHCVに置き換えたウイルス (GBcHCE12) を接種させたところ、最長24週まで血漿からウイルスが検出された。肝炎マーカーであるALT値においてはわずかに上昇が認められた。しかし抗core抗体価を測定したところ、上昇は認められなかった。以上のことから、接種したキメラウイルスはマーモセット体内で増殖可能であることが強く示唆されたが、持続感染にはさらなる改良が必要であることも判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

HCVまたはGBV-B E1, E2発現レンチウイルスベクターを用いたシュードタイプウイルスの作製(in vitro)においては、GBV-BのE1E2が発現が確認できないことにおいて、codonの最適化という打開策を模索し、徐々にではあるが解決の糸口を見つけている。これにより発現が確認されれば、最終年度までにHCVとGBV-Bの吸着侵入過程における宿主特異性を明らかにすることができる。
GBV-B/HCVキメラウイルス感染実験 (in vivo)に関しては、急性感染を引き起こし、肝炎マーカーもわずかに上昇がみられるGBV-B/HCVキメラウイルスを作製することができた。現段階では抗体価の誘導は確認できなかったので、今後はさらに改良し抗体誘導を引き起すキメラウイルスまたは持続感染を引き起こすキメラウイルスの開発をしていく。in vivoの研究では当初の計画通り良好に進展していると言える結果となった。

Strategy for Future Research Activity

HCVまたはGBV-B E1, E2発現レンチウイルスベクターを用いたシュードタイプウイルスの作製(in vitro)では、レポータージーンとしてこれまではNanoLucを用いていたが、これを用いた検出系は細胞によってはバックグラウンドが高く感染の評価を正しく行えないことが判明した。よって現在はHCVまたはGBV-BのE1, E2を発現した細胞とヒト肝細胞またはマーモセット肝細胞の結合を測定する方法(Fusion assay)にて評価する系の確立を試みている。
GBV-B/HCVキメラウイルス感染実験 (in vivo)では、新たに設計したキメラウイルス3種を作製中である。このキメラウイルスが前回のウイルスと大きく異なる点はHCVのp7を挿入している点であり、HCVのp7はGBV-Bのp7と互換性があり、置換したキメラウイルスはマーモセットへの感染が成立することはすでに確認されている。また、p7を含む構造タンパクをHCVへ置換したキメラウイルスが長期にマーモセットで感染する報告もあり、本研究で用いているHCV TPF1株でも同様の成果が期待できる。今後はこのキメラウイルスを作製しマーモセットへ感染させ、ウイルス動態やALT値、抗体価を測定する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Increased expression of the regulatory T cell-associated marker CTLA-4 in bovine leukemia virus infection.2015

    • Author(s)
      Suzuki S, Konnai S, Okagawa T, Ikebuchi R, Nishimori A, Kohara J, Mingala CN, Murata S, Ohashi K
    • Journal Title

      Veterinary immunology and immunopathology

      Volume: 163 Pages: 115-124

    • DOI

      10.1016/j.vetimm.2014.10.006.

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] New type of Sendai virus vector provides transgene-free iPS cells derived from chimpanzee blood.2014

    • Author(s)
      Fujie Y, Fusaki N, Katayama T, Hamasaki M, Soejima Y, Soga M, Ban H, Hasegawa M, Yamashita S, Kimura S, Suzuki S, Matsuzawa T, Akari H, Era T
    • Journal Title

      PloS one

      Volume: 9 Pages: e113052

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0113052. eCollection 2014.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] HCVベースのHCV/GBV-Bキメラウイルスはタマリンへ長期感染する2015

    • Author(s)
      ○鈴木紗織、東濃篤徳、森健一、片貝祐子、槇昇、明里宏文
    • Organizer
      第62回日本実験動物学会 総会
    • Place of Presentation
      京都府京都市
    • Year and Date
      2015-05-28 – 2015-05-30
  • [Presentation] GBV-B感染マーモセット/タマリンにおける慢性化移行には液性免疫応答の遅延が関与する2014

    • Author(s)
      ○鈴木紗織、東濃篤徳、森健一、片貝祐子、齊藤暁、槇昇、明里宏文
    • Organizer
      第61回日本実験動物学会 総会
    • Place of Presentation
      北海道札幌市
    • Year and Date
      2014-05-15 – 2014-05-17

URL: 

Published: 2016-06-01  

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