2014 Fiscal Year Annual Research Report
マウス受精卵前核期におけるクロマチンダイナミクスの解析
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13J01051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青島 圭佑 北海道大学, 獣医学研究科, 特任助教
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 受精卵 / ヒストンメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマウス受精卵前核期の雄性前核において大規模に変化するヒストンメチル化修飾の役割とその制御因子を明らかにすることを目的として行われた。その結果,ヒストン H3 の4番目のリジン残基 (H3K4) のメチル化(H3K4me)が初期胚発生に重要であることがわかり,さらにヒストンメチル化酵素であるMixed lineage leukemia 3/4(Mll3/4)が前核期のH3K4meに関与していることが強く示唆された。 ヒストンのリジン残基をメチオニン残基に変換した変異体(K-M 変異体)は当該部位の内在性メチル化を消去することができる。この変異体を用いて前核期のH3K4me消去を試みたところ,雄性前核においてのみ,H3K4meが消去された。H3K4meは転写活性化のマークとなるヒストン修飾であり,本研究においても前核期におけるH3K4meの消去は受精後に最初に生じる転写活性化minor Zygotic Gene Activation (minor ZGA)を抑制することがわかった。しかし前核期の次の段階,二細胞期に生じる大規模な転写活性化major Zygotic Gene Activation (major ZGA)はH3K4me消去の影響を受けなかった。以上の結果から,雄性前核のおけるH3K4meはminor ZGAの制御に必須であり,minor ZGAで発現する遺伝子群の中に,その後の初期胚発生に必要な遺伝子が含まれていることが示唆された。以上の結果はヒストンメチル化酵素の一つである Mll3/4 をノックダウンした受精卵においても同様に観察されたことから,Mll3/4 が前核期における H3K4meを制御している可能性が示唆された。 本研究はリプログラミング機構の一端を明らかにし,初期胚発生における遺伝子発現の制御機構に新たな知見をもたらしたと言える。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)