2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管様構造体を含む生体類似の3次元組織体構築法の開発
Project/Area Number |
13J01132
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
劉 楊 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 組織工学 / 血管様構造 |
Research Abstract |
本研究では、数種類の細胞から、生体組織と同様に細胞のライフラインとなる培養液を培養可能な血管組織を有する3次元組織体を構築する方法の開発を目的とする。具体的には、組織体を構成する微小要素(数百マイクロメートルの組織体(技術①)及び生体の血管と同様に血管細胞から構成されるチューブ状の組織体(技術②))を作製した後に、これをレゴブロックのように組み上げて3次元組織体化を試みる。それらから組織体を組み上げ、内部に培養液を流通させる技術(技術③)が必要である。これまでに、技術①、②に関しては開発が完了している。 技術③について研究実施計画 : H25年度、実施項目①微小組織と管状組織の融合、実施項目②培養液流動条件の最適化 ; H26年度、実施項目③毛細血管網の構築、実施項目④初代肝細胞を使った血管網含有組織体の構築。 項目を実施する時、項目①と項目③を同時に実現できることが分かった。微小組織と管状組織を少量のコラーゲンゲルで結合させ、血管新生因子を添加した培地中に共同培養を行った。1-2日間内に、各組織体からの血管内皮細胞を自発的に結合し、ネットワーク様構造の形成が確認できた。直径3μmの蛍光粒子を含む溶液をチューブ状の組織体内に流入したところ、粒子は筒状組織体から形成された組織体中に広がっていた。形成したネットワーク様構造は毛細血管網のように物質の輸送が可能と考えていた。更に、項目②を完成するために、組織体培養と同時に培地を一時的に流動可能なデバイスを開発した。しかし、ポンプを接続し、長時間培地を流動させることはまだ困難である。 項目④について、初代肝細胞の代わりに肝がん細胞HepG2を利用した。幅5mm、厚さ0.5mm、奥行き5mmのサイズの組織体を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画の項目②以外は、ほぼ完成した。毛細血管様ネットワーク及びチューブ様の組織体を有する3次元組織体を構築した。当初の計画より早い時期に達成したので、計画より複雑な機能(例えば、肝臓組織のアルブミン分泌とすい臓組織のインシュリン分泌)を持つ組織体の開発への進展が可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
項目②を完成させるために、ポンプを接続することで長時間、培地を流動させることが可能な培養デバイスの開発が必要である。今後、この培養デバイスの開発に集中して研究を実施する。また、これまでの結果では、短時間(1-2日)で血管ネットワークが形成できた。それにより3次元組織体の作成が可能になった。今後、より複雑な機能を持つ組織体の開発に取り組み、得られた組織体の機能について検討する予定である。
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Research Products
(3 results)