2013 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性物質アプリロニンAの作用機序に関する研究
Project/Area Number |
13J01175
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平山 裕一郎 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 天然物化学 / ケミカルバイオロジー / アプリロニンA / 分子プローブ / アクチン / チューブリン / 標的タンパク質同定 |
Research Abstract |
アプリロニンA (ApA)は強力な抗腫瘍活性を有する海洋産マクロライドである。標的タンパク質としてアクチンに作用することが知られていたが、アクチンとの作用のみではApAの強力な抗腫瘍活性を説明できず、その作用機序は不明であった。これまでに申請者はApAの作用機序の解明を目的に、ApAをリガンドとした光親和性ビオチンプローブを合成し、これを用いて新規標的タンパク質としてチューブリンの同定に成功している。さらにApAがアクチン存在下でチューブリン重合阻害活性を示すことを見出していた。今年度は精製チューブリンを用いたin vitroの系での相互作用解析を進め、ApAとチューブリンの相互作用にアクチンが必要であることを明らかにした。この結果からApAがアクチンとチューブリンの両者と結合し三元複合体を形成していることが強く示唆された。またチューブリンとの相互作用はApAに特異的であり、他の低活性の類縁体などでは見られなかった。従ってチューブプリンとの作用はApAの強力な細胞毒性の発現に重要な寄与をしていると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていたApAのチューブリンに対する特異的相互作用を明確にすることができた。 特にネズティブプローブとして合成したApCプローブは全くチューブリンに結合しないという明確な差を示し、ApAの強力な細胞毒性にチューブリンが関わっていることを強く示唆する結果を得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
ApAはチューブリンとアクチンと同時に結合し、三元複合体を形成していると考えている。今後、この三元複合体を詳細に解析し、その結合様式や組成を明らかにすることでApAの強力な抗腫瘍活性の作用機序の解明を目指す。
|
Research Products
(6 results)