2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療の質と医療費と原価との関係の解明-医療の可視化と効率化の推進を目指して-
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13J01335
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森島 敏隆 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 医療政策 / 医療経済 / 医療の質 / データベース研究 / 医療費 / 原価計算 / 組織論 / 医療経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
国家財政・医療保険財政が危機的状況になる一方で、国民の医療への期待はますます高まる今日において、わが国の医療介護制度・医療提供体制は変革を迫られている。限られた医療費・医療資源を最適な形に再配分しようとする医療制度の再設計において、わが国は全体的な質の向上と経済性・効率性の向上の両立の実現を目指している。 本年度1年間をすべて在外研究として英国インペリアル・カレッジ・ロンドンでの研究生活に充てた。英国はわが国に先駆けて、医療の質の全体的な向上と効率性の向上の両立を達成した医療制度改革で世界で知られている。 英国では医療機関単位、地域単位での様々なパフォーマンスデータが政府などによって公表されている。それらを利用して医療・介護に関わるパフォーマンス・質・資源利用の医療機関間・地域間の格差を明らかにした上で、それら相互の関係と関連要因を明らかにした。また、多様な疾患背景を持つ患者のプロセス・アウトカムを評価するときに必須となる手法であるリスク調整方法の開発・吟味に取り組んだ。 さらに、英国の医療制度では医療の質の向上を促す仕組みが多数開発され実行されているが、これらを体系的に調査した。これらの成果は、わが国の学術研究の手法に影響を与えるとともに、わが国の医療介護等の制度・政策立案に少なくない示唆を提供することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
医療の質の評価方法の開発、医療の質・パフォーマンスと医療費の相互関係の解析が、計画以上に進み、論文発表・学会発表も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
わが国の臨床現場での専門家とのインタラクションの加速を通じ、現場に妥当で学術的にも重要な課題の研究遂行を強化する。国際的な視野も取り入れることによって、わが国の医療・介護に関連する問題点を明らかにする。
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Research Products
(7 results)