2013 Fiscal Year Annual Research Report
Peroxiredoxinの催炎症性機序の解明と炎症制御に関する研究
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13J01369
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂口 了太 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 肺障害 / 炎症性サイトカイン / 制御性サイトカイン / インターロイキン / T細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
Peroxiredoxinの炎症モデルにおけるDAMPS (Damage-associated molecular patterns)としての働きを調べるために、各種炎症モデルを用いて、その発現を調べた。実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAEモデル)では、mRNAレベルで、炎症の極期に合わせて、Peroxiredoxin1の発現上昇を認めた。しかし、peroxiredoxinに対するポリクローナル抗体の投与を行っても、障害スコアの改善を認めなかった。抗HMGB-1抗体投与により、障害スコアが改善することから、EAEにおいては、HMGB-1など他のDAMPSの寄与が大きいと考えられた。その他に、急性肝炎モデルや腸炎モデルでもperoxiredoxinの発現を確認したが、発現の上昇は認められなかった。 当初の目的である炎症制御の研究を遂行すべく、制御性サイトカインの炎症モデルでの役割を調べる研究にシフトした。その中でも、IL-10、22をターゲットとしている。これまで、LPS肺障害モデルを用いて、両サイトカインの発現上昇を確認した。また、IL-10、22の欠損マウスで肺障害が悪化し、炎症性サイトカインの発現も上昇することをELISAで確認している。現在、レポーターマウス、cell sorterを用いて、二つの制御性サイトカインの産生細胞の同定をメインに研究を行っている。IL-10に関しては、炎症急性期に、好中球、マクロファージ、CD4+T細胞から産生されることを確認した。IL-22に関しては、cell sorterを用いて、解析中である。今後は、産生細胞の同定に加え、治療介入にまで踏み込んで行きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳梗塞モデルで、DAMPSとして働くPeroxiredoxinの発現をいくつかの炎症モデルで確認したが、発現を認めても、抗体による治療介入が有効なものがなかった。そのため、当初の目的である炎症制御の構築を達成するため、方針を転換し、急性肺障害を中心とした炎症モデルでの制御性サイトカインの発現と産生細胞の同定にテーマを移したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、制御性サイトカインであるIL-10、22にテーマを絞って、主に肺障害モデルを用いて、解析を行う。制御性サイトカインの炎症への影響、産生細胞の同定を目指す。そのために必要なCell sorterなども研究室に備わっており、研究の遂行は可能と考える。可能であれば、新規治療に結びつけることを目指したいと考えている。
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Research Products
(1 results)