2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒッグス粒子へ崩壊する粒子の加速器実験での探求を通じて, 電弱対称性の破れに迫る。
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13J01386
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 祥 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(PD)
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Keywords | 素粒子物理学 / 超対称性理論 / ヒッグス機構 / CP対称性の破れ |
Outline of Annual Research Achievements |
この世界を記述する基礎理論である標準模型。その要である電弱対称性の破れは, ヒッグス機構によって引きおこされている。しかしそのヒッグス機構は不自然であり, 現実世界の記述の為には理論のパラメーターに絶妙なチューニングが必要である。従って, もっと正しい「本当の理論」があって, 標準模型はその表層なのであろう, と考えられている。 その新物理の探究の鍵として, 本研究課題ではヒッグス粒子へと崩壊する新粒子に着目した。そのような粒子があると仮定して, 将来の高エネルギー加速器実験においてそれをどう観測するのか。その観測からどうやって新物理へと迫るのか。それが本課題の主眼であった。 今年プレプリントとして発表し, 現在雑誌投稿中である成果では, 「超対称性理論」という仮説を扱った。超対称性理論は, ヒッグス機構の不自然さを劇的に改善し, 電弱対称性の破れを「より自然に」実現する。この理論では“neutralino”という粒子が登場し, それはヒッグス粒子へと崩壊する。そのような粒子は2015年より始まるLHC実験において発見される可能性がある。ミュー粒子の異常磁気能率が理論予測よりも若干大きい, という測定結果も, この可能性を支持している。ところが, 実際にこのような粒子が発見された場合, SUSY CP問題と呼ばれる問題が浮上する。すなわち, 超対称性理論においてneutralinoがLHCで見えると仮定すると, CP対称性が過剰に破れてしまい, 現実世界を記述できなくなる。当該成果は, その破れの源のうち一部を除去する機構を発明した, というものである。
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Research Progress Status |
本研究課題は翌年度、交付申請を辞退とするため記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は翌年度、交付申請を辞退とするため記入しない。
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Research Products
(3 results)