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2013 Fiscal Year Annual Research Report

魚類の良質卵を規定する母性RNAに関する分子生物学的研究

Research Project

Project/Area Number 13J01576
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

泉 ひかり  北海道大学, 大学院水産科学院, 特別研究員(DC1)

Keywordsニホンウナギ / 卵質 / 人為催熟ウナギ / 母性RNA / 分子生物学
Research Abstract

種苗生産を確立するためには安定して良質な卵を得る必要があり、卵質改善が重要な課題として位置づけられる。卵質を決定する要因の中でも、卵に蓄積されているRNA(母性RNA)の組成が正常であることは極めて重要な必要条件である。そこで本研究では、ニホンウナギを用いて、NGS解析により良質卵と不良卵に含まれる母性RNAの網羅的な構成比較を行ない、良質卵に必須の母性RNA組成を明らかにすることを目的とした。
良質卵および不良卵のtotal RNAからリボゾーマルRNA (rRNA)を除去し、得られた微量RNAからNGS用母性RNAを含むcDNAライブラリーを作製後、HiSeq2000 (illumina社)を用いてRNA-Seqを行なった。まず、rRNAの混入率をリードマッピングにより確かめた結果、0.02-1.66%であった。de novoアセンブリした結果、200base以上の212,650個のコンティグが得られ、ニホンウナギ卵のESTライブラリーを構築することに成功した。これら配列をリファレンス配列として、各コンティグにマップされるリード数をカウントし、良質卵と不良卵で発現レベルを比較した。現在、良質卵と不良卵で差のあるコンティグ配列を探索中である。また、BLASTにより候補配列の相同性解析も行なっている。平行して、細胞周期および細胞分裂に関与する遺伝子(ccnb3、cdc37、cops5、esr2など)80個を卵質関連候補遺伝子とし、良質卵および不良卵におけるRNA量を比較し、卵質との関連について検討した。その結果、いずれの遺伝子においても良質卵と不良卵の間で顕著な差はみられなかった。他方、1tn1は不良卵でほとんど検出されないサンプルがあったことから、良質卵の十分条件ではないが、必要条件である可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

母性RNAを含むcDNAライブラリーを作製し、十分な情報量のESTデータベースを構築することができた。現在、このデータベースを用いて、de novoで良質卵特異的な母性RNA組成を探索中であり、いくつかの遺伝子が候補として挙がっている。これらの状況から計画は着実に実行されており、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後はde novoで特定した良質卵特異的な母性RNA候補群がin vivoにおいても卵質に関与するか調べる予定である。定量PCRを用いて、良質卵および不良卵におけるRNA量を正確に比較することでさらに候補を絞り込み、良質卵に必須の母性RNA組成を明らかにする。数個に絞り込めた場合は機能解析を行ない、候補が多い場合は発現量解析によりさらに絞り込みを行なう予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ニホンウナギ卵における卵質関連候補遺伝子群RNAの発現量解析2014

    • Author(s)
      泉ひかり・萩原聖士・田中寿臣・玄浩一郎・井尻成保・足立伸次
    • Organizer
      平成26年度日本水産学会春季大会
    • Place of Presentation
      北海道大学(函館市)
    • Year and Date
      2014-03-30

URL: 

Published: 2015-06-25  

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