2013 Fiscal Year Annual Research Report
ワステコ語言語獲得における統語構文の発達についての記述的研究
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13J01684
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
巽 智子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 言語獲得 / 言語学 / 統語論 |
Research Abstract |
平成25年度に実施した研究の成果は、言語獲得研究のための基礎について様々な機会を通じて学んだこと、統計手法や実験及びデータの扱いなどの実地的知識を発展させたこと、が主となる。年度の前半には、CHILDES databaseのデータについてのコーディングおよび、CLANプログラムによるデータの扱いや処理についてのスキルを向上させた、アメリカ言語学会によるLinguistic Institute 2013への参加を通じ、研究計画の最適化につなげたほか、より広い言語学および言語獲得研究について学んだ。Instituteの期間中には、言語獲得についての簡単な研究を行い発表する機会もあったため、実践的な知識が得られた。この研究を発展させて、秋の日本言語学会の大会において口頭発表を行った。Linguistic Instituteの参加中に得た助言や、通常の指導の中で、より専門的な知識を直接学ぶ必要性が明確になってきたため、特にconstructivism, usage-based approachと言われる立場から言語獲得研究が盛んな英国のリバプール大学Institute of Psychology, Health and Societyへと短期で研究指導委託の形式のもとに渡航することを決めた。このため、計画において予定していたメキシコでの調査のかわりに、2014年1月からイギリスに滞在している。イギリスにおいては、特に形態論の習得に特化したアプローチを学び、また必要な統計手法を学んでいる。実際にRやSPSSなどの統計プログラムを用いて研究を進めており、博士論文においても、その後の研究全般においても不可欠な知識を身につけている。その他、投稿論文を出版し、また海外の学会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
言語獲得研究、特に心理言語学的なアプローチについての基礎を固めることが出来たことから、計画が順調であると言える。幼児の言語データのコーパスの扱い、実験手法や統計手法を具体的に身につけてきた。こうした進歩の上で、研究計画の最適化を行い、確かな方法論に基づいた研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究指導委託としてリバプール大学で形態論の発達についてのコーパスベースの言語獲得研究を進めている。今年度の前半は、この研究を発表し、また投稿論文としてまとめ上げる考えである。また、博士論文執筆に向けたデータの処理や文献の整理も同時に行う。
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Research Products
(3 results)