2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いたウイルス感染時の新規自然免疫機構の解明
Project/Area Number |
13J01978
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡本 将明 北海道大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自然免疫 / ウイルス感染 / TICAM-1 / IPS-1 / HCV / III型IFN / 樹状細胞 / 肝細胞 |
Research Abstract |
ウイルス感染時の自然免疫応答に関わる分子群の機能解明のを目的に、特にTICAM-1の関わる生命現象に重点を置いて研究を行っている。本年度はHCV感染時の生体内でのIII型IFN産生におけるTICMA-1及びIPS-1の役割を解明するため、遺伝子欠損マウスを用いて、HCVに対するIII型IFN産生経路の探索を行った。またIII型IFNのウイルス感染時の働きを解明するため、III型IFNの機能解析を行った。これらの研究から得られた成果を論文として『Journal of immunology』誌に発表した。 論文中では、ハイドロダイナミックインジェクション法を用いて、生体内におけるIPS-1依存的なIII型IFN産生経路を初めて明らかにした。また、試験管内の実験では、HCV RNAやHCV感染肝細胞株、樹状細胞などを用いて、HCV感染時のIII型IFN産生におけるTICAM-1経路、IPS-1経路の使い分けについて言及した。III型IFNの機能解析では、III型IFNが、I型IFNとは異なり、樹状細胞を介したナチュラルキラー細胞の活性やクロスプレゼンテーションによる細胞障害性T細胞の活性化を誘導しないことを実験的に示した、一方で、III型IFNが樹状細胞や肝細胞のRIG-1の発現を上昇させHCV RNAに対するIFN発現を増強させること、抗ウイルスタンパク質のISG20やRNaseLの発現誘導を促すことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画通り、HCVに対するIII型IFNの産生経路についてノックアウトマウスを用いた解析と、III型IFNの機能解析を行い。概ね良好な結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子改変マウスの交配によりTICAM-1やIPS-1を欠損したHCVドランスジェニックマウスを作成する。作成したマウスは、HCV感染時の生体内での自然免疫応答とその後の獲得免疫応答におけるIPS-1、TICAM-1の役割を解明するために用いる。 また、当研究室が作成したDDX60ノックアウトマウスを用いて、ウイルス感染時の生体内におけるDDX60の機能を解明する。
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