2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J02138
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松田 唯 広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | Surface tension / Marangoni flow / Camphor / Collective motion |
Outline of Annual Research Achievements |
気/液、液/液界面で、濃度差または温度差により生じる界面張力勾配によって駆動され、水深に依存して強くなる対流をマランゴニ流と呼ぶ。樟脳-水系では樟脳粒の自律運動と同時にマランゴニ流も誘起される。しかし、運動速度は表面張力差のみに起因すると考えられ、同時に発生するマランゴニ流の効果はあまり考慮されなかった。 ここでは対称な樟脳円板と非対称な樟脳船の二種類の自律運動素子を用い、水深を変化させることでマランゴニ流の構造と強弱を変化させた。これによりマランゴニ流は樟脳船に対しては減速、樟脳円板に対しては加速の効果を示し、駆動力に大きくかかわっていることを見出した。これらの結果からこれまで表面張力差のみで議論されてきた駆動力について、周辺の流れ(マランゴニ流)の効果を加味する必要性を明らかにし、Chem. Phys. Lett.誌に“Acceleration or Deceleration of Self-Motion by the Marangoni Effect”のタイトルで採択された。
周囲に自己と同様の個体が複数存在する条件での個体の運動をターゲットとした。組成の異なる自律運動素子(樟脳ゲル、樟脳粒)の分子密度や接触角の違いによってその集団運動が異なり、実験事実より集合の要因は「表面流」の異方性、および「毛管力」によると提唱した。加えて、複数の樟脳粒、樟脳ゲル双方を同時に水相に浮かべた際、樟脳粒、樟脳ゲルが相分離を起こし、同種のものが集合する現象を見出した。また、樟脳ゲルが樟脳円板を取り囲む様相も確認できた。 また、経時的な集合の変化について動径分布関数を用いて解析を行い、見た目で判断していた「集合の度合い」について距離を基準とした指標を提案した。現段階で樟脳円板においては、表面流の構造から集合するメカニズムの礎は作成できたが、樟脳ゲルについては場のメニスカスの解消といった視点からアプローチをしていく予定である。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)