2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代分子変換を指向した「遷移金属錯体/有機分子」リレー型触媒系の創生
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13J02264
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿又 喬平 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不斉触媒 / 有機分子触媒 / ブレンステッド酸 / 量子化学計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画していた「遷移金属/有機分子」リレー型触媒反応を開発する過程で、キラルリン酸触媒を用いたPetasis-Ferrier型転位反応を検討していたところ、触媒の置換基によって異なる立体選択性で生成物を与えるという、たいへん興味深い現象を見出した。本反応の反応機構を明らかにすることができれば、有機分子触媒として現在高い注目を集めているキラルリン酸触媒の立体制御機構についてきわめて重要な知見が得られるのではないかと考えられた。 実際の検討は、キラルリン酸触媒(R)-1を用いた1,3-ジオキセピン2のPetasis-Ferrier型転位をモデル反応として検討を行った。実験条件の検討により、(R)-2に対し触媒1a (G = SiPh3)を作用させるとアンチ選択的に生成物3が得られる一方で、(S)-2に対し触媒1b (G = 9-anthryl)を作用させるとシン選択的に生成物3が得られることが明らかとなった。 DFT計算による遷移状態の解析から、高度な立体化学の制御にはイオン対において触媒と基質との間に働く非古典的水素結合が重要な役割を果たしていることが見出された。また触媒1bを用いた場合にはπ-スタッキング相互作用が立体選択性の制御に重要であることを示す結果が得られた。 本研究の成果は、イオン対を想定した反応設計が、優れた不斉反応の開発に極めて有効であることを示している。またイオン対を介した反応の立体制御機構について大変意義のある知見を得ており、これは今後の触媒開発にとって重要な視座を与えるものである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)