2013 Fiscal Year Annual Research Report
光依存型酵素の構造改変による新規光反応への機能変換
Project/Area Number |
13J02354
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 治樹 大阪大学, たんぱく質研究所, 特別研究員PD
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Keywords | 光合成 / クロロフィル / 酵素 / シアノバクテリア |
Research Abstract |
LPORの構造解析については、複数の生物種および複数の発現システムを構築し、それぞれについて結晶化スクリーニングを行った。それぞれの発現系において大量発現の培養条件の検討、また精製法を検討し、結晶化スクリーンに必要なmgレベルでの調製が可能となった。複数のスクリーニングキットを使用し1,000条件以上のスクリーニングを行ったが、現在のところ結晶は観察されていない。報告者が以前行った実験において、LPORと同じ反応を触媒するDark-operative protochlorophyllide oxidoreductase (DPOR)の触媒コンポーネントNB-proteinが非常に結晶になりやすい性質があるため、そのNB-proteinとの融合させたLPORの調製を試みた。融合の際にどの部分にそのようにLPORを付加するかを検討し、いくつかのパターンの融合蛋白質の発現系を作成した。発現させたNB=LPORの精製は通常のNB-proteinの精製に一つ精製ステップを追加する事で成功した。そのうちの2つの種類の蛋白質で結晶を確認した。一方はNB-proteinと同様の柱上結晶を作り、X線照射によりそのディフラクションデータをコレクトし、その電子密度マップの作成を行った。しかしLPORが存在する電子密度は確認できなかった。結晶をSDS-PAGEする事で構成する蛋白質の解析を行うと、融合させたLPORが切断した蛋白質が結晶を構成していることが明らかになった。もう一方の結晶は、形状がNB-protienのものとは異なる針状で、LPORが融合した事による空間群の変化によるものであることが期待される。しかし現状の結晶では単結晶のサイズが小さく、X線解析ができる大きさではないので、結晶化条件を調製する事で体積の大きい結晶の作成を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造解析の対象であるLPORを含む融合蛋白質の結晶を再現性よく確認する事ができる段階まで到達する事ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記のLPOR融合蛋白質の結晶の結晶化条件の最適化により、X線照射実験をすることが可能なサイズの結晶の調整を行っていく。その際に、結晶化溶液の最適化以外に、種結晶など結晶化の手法から見直していく。またLPOR融合蛋白質の結晶中にLPORが存在するかどうか、結晶を単離しSDS-PAGEすることで確認を行っていく。改変LPORの活性をスクリーニングするシアノバクテリアのDVR欠損株についても引き続き、作成を続行する。
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Research Products
(6 results)