2014 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルス性肺炎における炎症収束メカニズムの解明
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13J02481
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桂 廣亮 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルスをマウスに感染させると、強い炎症が惹起され、肺炎を引き起こす。宿主が感染を察知し抗ウイルス応答を活性化させる機構に関しては精力的に調べられているが、一度惹起された抗ウイルス応答がどのように沈静化していくかについては未だ不明な点が多い。そこで、インフルエンザウイルス性肺炎における炎症収束メカニズムを解明する目的で、インフルエンザウイルス感染後の回復期に発現上昇する遺伝子を網羅的に解析し、炎症収束への寄与が期待されるTIGITという分子に注目した研究を行った。 これまでにTIGIT欠損マウスを用いた解析より、インフルエンザウイルス感染によりTIGIT発現細胞が肺に浸潤してくるが、体重減少や致死率などの病態にTIGITは関与しないことや、気管支肺胞洗浄液中に含まれるサイトカイン量に差がないことなどを確認した。また、フローサイトメトリーを用いて経時的に肺に浸潤してくる免疫細胞の数を調べたが、TIGIT欠損マウスと野生型マウスにおいて、好中球やマクロファージ・単球、T細胞、B細胞などの数に有意な差はなかった。また、TIGITの獲得免疫系への寄与を期待し、感染20日後に誘導されるウイルス特異的なIgGやIgAの量を比較したが、有意な差は見られなかった。 次に、インフルエンザウイルス感染時におけるTIGITのT細胞分化への寄与を検討した。感染14日後に肺よりT細胞を単離し、各種T細胞サブセットへの分化に必須な転写因子や、特徴的なサイトカインの遺伝子発現をリアルタイムPCRにて比較した。その結果、TIGIT欠損マウスではTh17への分化に重要な転写因子RorgtやTh17が産生するサイトカインであるIL-17の遺伝子発現が有意に上昇していることが分かった。以上のことから、TIGITはインフルエンザウイルス感染時において、特にTh17への分化を抑制していることが示された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Multi-spectral fluorescent reporter influenza viruses (Color-flu) as powerful tools for in vivo studies.2015
Author(s)
Fukuyama S, Katsura H, Zhao D, Ozawa M, Ando T, Shoemaker JE, Ishikawa I, Yamada S, Neumann G, Watanabe S, Kitano H, Kawaoka Y.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 6
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Influenza virus-host interactome screen as a platform for antiviral drug development.2014
Author(s)
Watanabe T, Kawakami E, Shoemaker JE, Lopes TJ, Matsuoka Y, Tomita Y, Kozuka-Hata H, Gorai T, Kuwahara T, Takeda E, Nagata A, Takano R, Kiso M, Yamashita M, Sakai-Tagawa Y, Katsura H, Nonaka N, Fujii H, Fujii K, Sugita Y, Noda T, Goto H, Fukuyama S, Watanabe S, Neumann G, Oyama M, Kitano H, Kawaoka Y.
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Journal Title
Cell Host and Microbe
Volume: 16
Pages: 795-805
DOI
Peer Reviewed
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