2014 Fiscal Year Annual Research Report
大量遺伝情報解析による熱帯多雨林の葉圏菌相多様性と宿主樹木の遺伝的特性の解明
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13J02516
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊津野 彩子 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 熱帯多雨林 / 葉圏菌類 / 生物多様性 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、熱帯多雨林内における葉圏菌類の空間分布構造を調べた。 サケラート環境研究センター (タイ) の季節常緑林において、高さ40mの林冠タワーを用いて、26種71個体の樹木を対象に19階層の高さから葉を採取した。全144箇所の葉サンプルについて、サンプル毎にDNAを抽出し、菌類に由来するITS1領域をPCR増幅し、次世代シーケンサー Ion PGM を用いて塩基配列解読を行った。得られた配列断片について、95%以上同一の塩基配列をOperational taxonomic unit (OTU) にまとめた結果、合計2,408個の菌類OTU (14,992,501配列) が認識された。サンプル毎に菌類OTU数及び分類群組成を調べ、空間地点間で比較した。 各階層で見出された菌類OTU数は、林床から林冠へと高度が増すにつれて減少した 。また、上層部ほど子嚢菌門 (特にクロイボタケ綱) が菌相に占める割合が高くなることが明らかとなった。菌類群集組成は林床から林冠へと徐々に変化し 、互いに組成の類似する菌類群集を類似した色で視覚的に示したところ、林床部では様々な組成の菌類群集が見られる一方で、林冠部では近接する菌類群集は互いに類似しており、葉圏菌類の多様性は林床部において高いことが示された。 尚、本研究成果に基づく英語論文は、現在執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、熱帯多雨林の葉圏菌類多様性についての解析に関して順調に成果を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は成果発表に重点を置き、引き続き次世代シーケンサーを用いて野生植物の遺伝解析に取り組む予定である。
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Research Products
(5 results)