2013 Fiscal Year Annual Research Report
質問紙を用いたサルコペニアのスクリーニング・簡易評価法の開発
Project/Area Number |
13J02741
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川上 諒子 早稲田大学, スポーツ科学研究科, 特別研究員DC2
|
Keywords | サルコペニア / 質問紙 / 筋肉量 / 筋力 / 身体活動 / 運動 / 下腿周径囲 / 身体組成 |
Research Abstract |
1. 特定健診・保健指導の標準的な質問票を用いた身体活動調査によるサルコペニア予測 (目的)特定健診・保健指導の標準的な質問票を用いた身体活動調査によって、サルコペニアのスクリーニングが可能か否かを検討。(方法)23~85歳の男女1022名を対象とし、標準的な質問票の身体活動に関する3問の質問調査(身体活動・運動習慣・歩行速度)を行った。DXA法による四肢筋量の値を基にサルコペニアを判定した。(成果)運動習慣と歩行速度に関する質問において、サルコペニア該当者の頻度との間に関連があった。各質問における感度・特異度は、身体活動の質問で感度42.2%・特異度58.9%、運動習慣の質問で感度64.3%・特異度51.6%、歩行速度の質問で感度40.2%・特異度67.9%であった。以上より、標準的な質問票の身体活動調査によるサルコペニアのスクリーニング精度はそれほど高くはないが、運動習慣および歩行速度に関する質問でサルコペニア該当者の頻度と有意な関連が示された。(2013年日本体育学会で学会発表) 2. サルコペニア簡易評価法の開発および妥当性の検証 (目的)下腿周径囲がサルコペニア評価の簡易的な代替指標となり得るかを検討。(方法)40歳以上の男女535名を対象とし、下腿の最大周径囲とDXA法を用いた筋量の測定を行った。DXA法で得られた四肢筋量の値を基にサルコペニアを判定した。(成果)下腿周径囲と四肢筋量の相関係数は、男性r=0.82、女性r=0.72であった。また、ROC解析によりサルコペニア評価のための下腿周径囲のカットオフ値を求めたところ、男性34cm(感度91%・特異度90%)、女性33cm(感度82%・特異度71%)であった。以上より、下腿周径囲と四肢筋量との間に比較的強い相関関係が示され、下腿周径囲がサルコペニアの簡易的な代替指標として使用できる可能性が示唆された。(論文投稿中)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特定健診・保健指導の標準的な質問票による身体活動調査を用いてサルコペニア評価が可能か否か検討した結果、質問票単独では精度が十分でないことを明らかにした。そのため、今後更に身体特性や質問を組み合わせた検討を行う。また、サルコペニアの簡易評価指標として下腿周径囲が適用可能である可能性を明らかにすることに成功した。したがって、今後は縦断的な検討や身体機能との関連についても検討を行うことで、より精度の高い評価法の開発を目指す。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、サルコペニア発症に関する追跡測定を随時実施しており、縦断的な検討を行っていくことを計画している。今後、標準的な質問票の身体活動に関する3問の質問を組み合わせた検討や、さらに年齢やBMI等の因子を組み合わせた検討を行うことで、より精度の高い簡易評価法の開発を試みる。また、下腿周径囲の変化と筋量の変化についてその反応性の検証を行う。さらに、本年度に明らかにした下腿周径囲のカットオフ値によるサルコペニア評価と身体機能(握力・脚伸展パワー・椅子片足立ち等)との関連についての検討を行う。
|
Research Products
(1 results)