2014 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの維管束分化におけるサーモスペルミンの作用機構の解析
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13J02857
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉本 香織 岡山大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サーモスペルミン / 木部分化 / オーキシン / シロイヌナズナ |
Outline of Annual Research Achievements |
維管束木部は陸上植物の成長および形態形成において大変重要な組織である。以前の解析より、サーモスペルミンが合成されると、転写因子SAC51を介して、オーキシンによって誘導される維管束木部分化を抑制すると考えられる。本年度はサーモスペルミンによる木部分化の制御機構についてさらに解明するため、サーモスペルミン合成阻害剤 (ザイレミン)を用いて以下の実験を行った。
ザイレミン添加による茎伸長への影響を調べるために、シロイヌナズナ野生株の茎頂部に毎日ザイレミンを添加すると、茎の伸長が抑制され、acl5変異株に似た表現型となった。さらに、ザイレミン処理の有無に基づく高速シーケンサー解析を行ったところ、以前の研究においてacl5変異株のマイクロアレー解析で発現が増加した遺伝子について、その多くの遺伝子が今回の解析でのザイレミン処理においても発現が増加していた。また、オーキシンとザイレミンの効果について、以前の解析で使用した2,4-D IOEを用いて遺伝子発現について解析を進めたところ、サーモスペルミン合成に直接関わるACL5、SAMDC4遺伝子や、木部分化を誘導する転写因子でACL5の発現を直接正に制御していると考えられているATHB8の発現は、ザイレミンや2,4-D IOEの単独処理に比べて、同時処理で非常に高い発現の誘導が認められた。 以上の結果より、ザイレミンがサーモスペルミン合成阻害剤として有効に活用できることが分かった。本研究における成果は、サーモスペルミンの詳細な作用機構の解明へと導く重要な手がかりとなると考えられるとともに、今後他の植物へ応用することによって、木質バイオマスへの貢献が期待できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Mutations in ribosomal proteins, RPL4 and RACK1, suppress the phenotype of a thermospermine-deficient mutant of Arabidopsis thaliana.2015
Author(s)
Jun-Ichi, Kakehi., Eri, Kawano., Kaori, Yoshimoto., Qingqing, Cai., Akihiro, Imai., Taku, Takahashi.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10
Pages: e0117309
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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