2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J02976
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 正法 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 忘却 / 抑制 / トラウマ / ネガティブ記憶 / 感情 / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
実際に体験した記憶(エピソード記憶)の中でも,ネガティブなエピソード記憶を忘れることができるかを検討した。これまでの研究では,ネガティブなエピソード記憶を忘れるために,別のネガティブなエピソード記憶を思い出す必要があった。そのため,仮に忘却が成功しても,他のネガティブなエピソード記憶が活性化してしまうという問題があった。そこで,本研究ではネガティブなエピソード記憶を思い出すことなく,忘却を実現できるかを検討した。実験の結果,ネガティブなエピソード記憶と関連する知識(意味記憶)を思い出すことが,忘却に繋がることを明らかにできた。この研究結果は第78回日本心理学会大会での発表を行った。加えて,研究結果を論文としてまとめたものが,Psychonomic Bulletin & Review誌に掲載された(Kobayashi & Tanno, 2014)。 また,日常生活においてネガティブな出来事を意図的に覚える状況は稀であると考えられる。そこで意図的に覚えてようとしていないネガティブな記憶を抑制することが出来るかどうかを,検索練習パラダイムを用いて検討した。単語の関連度評定を行うという形で,学習意図のない状態でネガティブ語を学習させた後(偶発学習),そのネガティブ語に対して一部を検索させるという検索練習を行った。その後,すべての学習項目に対して記憶テストを行った。その結果,意図的に学習していないネガティブ語記憶の抑制が可能であることが明らかになった。今後は,この研究成果をまとめ,学会発表及びに論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していたネガティブ記憶の抑制と個人差についての検討を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ネガティブ記憶の抑制能力と関連する個人差である思考の制御能力を測定する質問紙の日本語化を行い,その質問紙を用いて個人差について検討を行う。
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Research Products
(7 results)