2014 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ農村における女性の贈答慣行にみる社会関係の形成と展開
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13J03011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成澤 徳子 京都大学, 東南アジア研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アフリカ / 女性 / 現金稼得 / 社会的ネットワーク / 贈答慣行 / 祝祭 / 国際情報交換 / ザンビア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アフリカの農村女性が近年、新たな現金稼得活動を基盤に、いかにして従来の地縁・血縁・姻戚を基礎にした社会関係とは異なる新しい社会関係を形成し、それを活用することで自らの生活の保障や潤いを得ているかを明らかにすることである。ザンビア南部州に暮らすトンガの女性たちによって創出されたヂロングウェ(Cilongwe)と呼ばれる、任意にペアを組んだ女性同士が贈り物を贈答し合い友情の絆を深めるための祝祭(「友情セレモニー」)を主な調査対象としている。 本年度は、昨年度に続き、ザンビアで収集した資料の分析と文献研究をおこない、学会発表と論文の執筆を進めた。「友情セレモニー」を主な事例として、女性たちが社会的関係性のなかで発揮するエージェンシーの可能性を検討することで、アフリカの開発とジェンダーをめぐる研究領域においてマクロな構造レベルで指摘されてきた、構造的抑圧とそれに抗する自律的主体という二元論的見方を乗り越えることを目指した。 本年度のザンビアにおける現地調査は、女性の「友情セレモニー」を通じて形成される友人ネットワークと旧来の社会的ネットワークの相違と連関に関する分析を進めるために実施した。村びとの間の旧来の社会的ネットワークに関する情報収集を中心に取り組み、世帯間の農作業における労働交換や土地の相続に関する社会関係を明らかにした。生業や相続における社会関係に関する分析は、女性の友人ネットワークとの比較をおこなううえで不可欠なものであり、今回の調査結果の分析と発表を次年度の課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた文献渉猟、現地調査とその分析が順調に進んでいる。その成果は学会で発表し、他の研究者との議論のなかで、他地域との比較検討も深まりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究成果を学術論文にまとめて投稿する。現地調査では、前年度までの調査結果をもとに、女性個人間の友人関係の構築が個人や集団レベルの女性のエンパワーメントに果たす役割に関して調査分析する。研究課題に関するさらなる議論の展開を視野に入れ、前年度までに築いた国内外の研究者とのネットワークを活かして研究成果の発表につとめる。
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Research Products
(2 results)