2015 Fiscal Year Annual Research Report
光イメージング・低酸素PET・灌流CTの融合画像による腫瘍内低酸素状態の動態解析
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13J03163
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
子安 翔 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腫瘍低酸素 / 腫瘍間質 / 18F-FMISO / 潅流CT |
Outline of Annual Research Achievements |
三年目は、一年目、二年目に確立したイメージングパラメータを用いて腫瘍間質のイメージングと低酸素PETの結果および腫瘍間質に相当するαSMAのDAB染色と、血管内皮細胞、低酸素細胞に相当するCD31とpimonidazole の蛍光多重染色結果を解析し、本研究の方法で腫瘍間質がイメージング可能であること、腫瘍間質は必ずしも低酸素とはいえないことを示し、これらの結果を当該領域で最も権威のある学会誌である”Radiology” 誌に発表した。二年目に達成できなかった自然発癌モデルでの検証は今後の課題であるが、臨床的には新規治療薬の標的であるにもかかわらず腫瘍間質はこれまで画像化方法がなく、本研究の結果はその生体での可視化を可能にし、治療効果判定や薬剤の適応患者の選択の可能性を生む点で重要な結果である。また、これまで腫瘍間質は低酸素であるとの報告が多かったが、今回腫瘍間質にはむしろ血管が豊富で低酸素ではない領域も存在することが分かり、各々を治療標的とする際には別途評価する必要性を示唆する結果であった。また、腫瘍の悪性化や治療抵抗性の解明と改善という目的に対して低酸素誘導性因子に着目し、新たな遺伝子を同定し、その機能に関する検討も同時に行った。まだpreliminary な段階ではあるが、同遺伝子から発現されるタンパク(ここではp70と定義)は、がん細胞がp53変異を獲得した場合に低酸素誘導性因子-1の活性を上昇させて予後不良を生じる、両経路のクロストークに関与する因子である可能性が示唆された。同遺伝子は正常組織では発現量が低いこと、野生型p53発現細胞では機能が抑制されていることを考えると腫瘍特異性の高い新たなイメージングターゲットとしての可能性を持ち、さらなる解析が期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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