2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J03569
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
坂井 伸行 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2015-03-31
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Keywords | VERA / 位置天文 / 銀河系 / 星形成領域 / スーパーバブル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度は、VERAによる位置天文観測を当初の計画通り行い、9天体の観測が終了した。その内1天体については、結果を論文化する事に成功した (Sakai et al. 2014)。 この天体(IRAS 00259+5625)は、銀河系外縁部(90°< 銀径 l < 270°)の、スーパーバブルに付随していた。このスーパーバブルは、研究代表者らの距離測定により、ディスク(銀河円盤部)から約300 pc離れた場所に位置している事が判明した。更に、IRAS 00259+5625が、ディスクに対して垂直方向の非円運動を示す事も明らかにした(~20 km/s程度)。スーパーバブルの運動エネルギーが5.1×10(**51) erg (Sato et al. 2008)である事を考えると、非円運動の起源としては、複数の超新星爆発が考えられる。 Sakai et al. (2014)は、回転速度測定に基いた質量分布の研究の際は、単に円運動成分だけでなく、他の様々な非円運動成分を考慮する重要性を明らかにした。 その他には、米国のCfA/ハーバード大を1ケ月間訪問し、VLBAによる位置天文研究について、研究議論を行った。現在、5天体分のデータ解析を任せられており、平成26年度には、結果を論文化する予定である。
まとめると、平成25年度は当初の計画通り観測と論文執筆作業を行うことが出来た。平成26年度も継続して観測を行うと共に、約10天体分の観測結果をまとめ、世界最高精度の銀河系外縁部回転曲線の構築を行う。得られた回転曲線を用い、銀河系の質量分布・ダークマター分布の議論を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ解析は若干遅れているが、観測・論文執筆共に、当初の計画通り進められており、全体としては概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、VLBI観測を継続すると共に、データ解析を並行して行っていく。約10天体の観測結果に基づき、銀河系回転曲線の議論を行っていく。問題点は、データ解析の進度が、実際の観測進度に対し、若干遅れている事である。これは、個別天体の観測結果を、1つの論文としてまとめてきた事が原因である。 今後は、複数天体の観測結果に基づいた議論を行った上で、論文化していく。
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Research Products
(7 results)