2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高速光駆動によるマイクロツールの細胞内挿入及び単一細胞温度計測
Project/Area Number |
13J03580
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 健 名古屋大学, 大学院 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光ピンセット / ナノロボット / 二光子吸収 / カーボンナノチューブ / トランスフェクション |
Research Abstract |
単一細胞内の局所パラメータ計測を行うため, ナノロボットの作製及び操作に関する研究を実施した. まず, フェムト秒レーザーを用いた二光子吸収露光によりナノメートルサイズのロボットを作製し, そこに熱伝導率の非常に高いカーボンナノチューブをプローブとして搭載することに成功した. このような機能性ナノマテリアルを任意の場所に搭載したナノロボットの作製は世界的にもほとんど行われておらず, マイクロ・ナノロボットへの機能付与の手法として非常に画期的であると言える. 特に近年はさまざまな機能を持つナノマテリアルが注目され研究されており, これらのナノマテリアルをナノロボットに搭載することにより, ナノロボットのさらなる多機能化が可能となると考えられる. 次に, このナノロボットを光ピンセットにより操作し, 細胞内への導入を試みた. 光ピンセットにより力学的な振動を印加しながら細胞への押し付けを行い, プローブの直接導入を試みたが, 光ピンセットのトラップ力が弱いため, 数Hzまでしか追随することができず, 細胞への直接の導入は不可能であった. そこで, ナノロボットに搭載したカーボンナノチューブの, 光熱変換効率が非常に高いという物性に着目した. カーボンナノチューブにレーザーを照射することにより熱を発生させ, 細胞膜に熱的刺激を与えることにより穿孔を行い, 目的のプローブを導入するという手法を提案した. この提案手法により実際に細胞を用いた細胞穿孔実験を行い, 蛍光ナノビーズを導入することに成功した. これにより提案手法の有用性が確認され, 細胞内環境測定のために機能化されたナノピーズ, もしくは遺伝子等を導入する手法として, 本手法が利用できる可能性があることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では当該年度はナノロボット作製, 及び細胞内導入のための条件決定のための予備実験を行う予定であり, 実績として細胞内導入に成功しているので, おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的であった細胞内へのナノロボットの挿入にはすでに成功しており, 今後はさらに処理能力を向上させるため, マイクロ流体チップへの細胞導入ポート, 細胞搬送用流路等のインテグレーションを行う予定である.
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