2013 Fiscal Year Annual Research Report
高次元ゲージ理論の一般的な境界条件による解析と階層性問題の解決
Project/Area Number |
13J03825
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 教寛 神戸大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 世代数問題 / 質量階層性問題 / フレーバー混合 / 高次元ゲージ理論 / 点状相互作用 / 境界条件 / 背景磁場 / オービフォールド |
Research Abstract |
今年度は、「高次元ゲージ理論の一般的な境界条件 による解析と階層性問題の解決」のテーマのもと、研究計画として挙げていた"標準模型におけるレプトンセクターの質量階層性問題の解決"に集中して取り組み、期待以上の成果を得ることができた。具体的には、過去に行われた研究である「点状相互作用を導入した高次元ゲージ理瞼によるクォークの世代・質量階層性・フレーバー混合を実現する枠組み」をレプトンに応用し、レプトンにおいても世代・質量階層性・フレーバー混合が実現できることを発見した。これは、クォークの(100) GeVという質量スケールとニュートリノのO(0.1)eVという質量スケールが同じ枠組うから同時に導かれ、かつ、クォークの小さなフレーバー混合の構造とレプトンの大きなプレーバー混合の構造が、余剰次元の幾何の違いから実現されうるという非常に重要な結果である。また、レプトンの世代・質量階層性・フレーバー混合を生み出す全く新しい機構の提唱をしたという意味でも重要である。さらに発展として、"フェルミオンの質量階層性をダイナミカルに生成する機構"について言及もし、有効ポテンシャルの安定性を議論することにより、質量階層性がダイナミカルに出せることも発見した。質量階層性はパラメータによる翻整から出す理論が多い中、質量階層性をダイナミカルに導出できる機構を提唱したことは非常に意義のあることである。 また、別アプローチとして、"背景磁場を持つ高次元理論にオービフォールドを導入した理論"にも取り組んだ。この研究で、余剰次元に背景磁場とShited orbifoldを導入した模型から、世代数を3の倍数に制限できうることを明らかにした。さらに、背景磁場を持つトーラス余剰次元にtwsited orbifoldを導入した理論の世代数の出現のパターンなどを一般的に解析することに成功した。これら結果は、今後現実的な3世代模型を構築する際の指標となる重要な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究に対して成果を得ただけでなく、その発展研究に対しても一定の成果を得、現在論文を執筆中である。また、当初予定されていなかった別アプローチの研究に関しても数多くの成果を得それらの結果が2本の諭文としてまとまり、雑誌に掲載されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、研究計画通りに"一般的な境界条件を用いた高次元理論の理論構造の解明"と"LHC実験における新粒子の予言"について研究を進める予定である。また、同じ研究課題に対する別アブローチである「背景磁場を持つ高次元理論」についても同様に、"理論構造の解明"を行い、"LHC実験における新粒子のシグナル"についての研究を進ある予定である。 研究を遂行する上での問題点は、特に存在しない。
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Research Products
(12 results)