2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J03845
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小橋 一喜 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スパイン / 蛍光相関分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系の興奮性シナプスの後部は,アクチン線維を主要な細胞骨格とする、樹状突起からつきだしたマッシュルーム様の微小突起構造であるスパインに形成される。これまでの研究から、スパイン内のアクチン線維には、スパイン形態を維持、変化させる細胞骨格としての機能と、シナプス分子の足場として、あるいは分子密度を調節することでシグナル伝達活性を調節するシグナル伝達調節因子としての機能があると考えられている。シナプスにおけるアクチン線維の機能をより良く理解するためには、スパイン内でのアクチン線維の構造や状態についてより定量的に測定する必要がある。蛍光相関分光法は、細胞内の微小領域に存在する蛍光分子の動く速さを測定し、その情報から分子間相互作用や細胞内環境を解析可能な方法である。本研究では、2光子励起蛍光相関分光法を用いたスパイン内分子動態測定法を開発し、スパイン形態変化時におこるスパイン内アクチン線維の構造変化を測定することを目的とする。今年度は、蛍光タンパク質を発現させた神経細胞スパイン内で蛍光相関分光法を行い、他の細胞内微小領域とは異なる測定結果を得た。サイズの異なるプローブによる比較や、薬剤処理実験により、スパイン内部で特異的に計測された分子動態が、少なくとも部分的には細胞内構造の性質を反映していることを明らかにした。今後より詳細に計測結果を調べていくことで、スパイン内アクチン線維の構造や状態を測定可能かを検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スパイン内で安定して蛍光相関分光法が行えるようになった。そして、スパイン内で異なる2成分の分子動態を検出し、その現象が細胞内構造の性質を反映していることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
スパイン内測定で検出された分子動態が具体的にどうのような細胞内構造の性質を反映しているのかを明らかにする。そして当初計画していたスパイン内アクチン線維の構造を計測可能かを明らかにする。
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Research Products
(2 results)