2015 Fiscal Year Annual Research Report
リポソーム膜による革新的な光学分割・不斉合成法の開発
Project/Area Number |
13J03878
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石上 喬晃 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リポソーム / 膜デザイン / 光学異性体 / アミノ酸 / コレステロール / 膜表層特性 / 分子蛍光プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はリポソームを利用した光学分割・不斉合成法について,不斉分子の認識・変換プロセスを設計することを目標として①膜特性評価に基づくリポソーム膜デザインによる分子認識の制御,②リポソーム膜を場としたアミノ酸重縮合反応の評価について研究活動を行った.①膜特性評価に基づくリポソーム膜デザインによる分子認識の制御については,リポソーム膜の比較的親水的な表層領域での分子認識に伴い,周辺環境の特性変化が誘導されることが示唆されている.そこで本年度は,リポソーム膜の表層領域に配向する性質を持つDansyl-DHPE,TMA-DPHという2種の蛍光プローブ分子を用いて,より詳細に,局所的な膜特性変化を評価可能な手法を開発した.この手法により,コレステロール(Ch)分子を含むリポソーム膜組成において膜表層の疎水性の変化が特異的である事が確認され,同時にアミノ酸の1種であるヒスチジンの吸着速度が向上する事が確認された.吸着機構における膜表層の特性変化がより効率的に誘導される系をデザインする事により,リポソーム膜の効率的な分子認識機能を誘導するための指針を示した.②リポソーム膜を場としたアミノ酸重縮合反応の評価ではリポソーム膜の優れた不斉認識機能と凝縮された疎水場を有する性質から,リポソーム膜を反応の場とする活用について考察した.モデル系としてリポソーム共存系および非共存系におけるL-ヒスチジン,D-ヒスチジンの重縮合反応を選択肢,その反応生成物はL-ヒスチジンの重合体においてリポソーム共存系での重合度の増大が起こり,同様の結果はD-ヒスチジンでは見られなかった.この事はリポソーム膜がL体の光学異性体を基質として,反応を促進させる可能性を示している.さらにリポソーム共存系での重合度増大のメカニズムについて考察し,反応基質のリポソーム膜上での濃縮や,生成物の加水分解からの保護が示唆された.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)