2015 Fiscal Year Annual Research Report
フェレドキシンと亜硫酸還元酵素の電子伝達複合体の静的・動的構造の形成機構の研究
Project/Area Number |
13J03956
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金 宙妍 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 蛋白質間相互作用 / フェレドキシン / 亜硫酸還元酵素 / 等温滴定熱量測定 / NMR / 酵素活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は生理的条件を考慮したフェレドキシン(Fd)と亜硫酸還元酵素(SiR)間の分子間相互作用とSiR活性との関連性を調べた。 最初にNaCl濃度変化(0~400mM)の効果を酵素活性測定で調べた。Fd依存的なSiR活性測定は両蛋白質間の相互作用を反映する。NaCl濃度の上昇とともにFd依存的SiR活性は高まったが、40~80mM 以上のNaCl濃度ではSiR活性が低下し、200 mM以上ではSiR活性が殆ど観測できなかった。これらの結果から、SiRの活性はFdとの相互作用によって調節されることが示された。 次は、等温滴定熱測定を用い、FdとSiR間の相互作用を熱力学的に調べた。FdとSiR間の相互作用は発熱反応であり、エンタルピー変化とエントロピー変化が複合体形成の駆動力であった。NaCl濃度の上昇は、エンタルピーの寄与を低くし、両蛋白質間の親和力を徐々に低下させた。駆動力の寄与から、静電・非静電的相互作用がFd:SiR複合体形成に重要であることが分かった。 溶液NMR分光法を用い、各NaCl濃度でのFdとSiR間の相互作用をアミノ酸残基レベルで調べた。15N安定同位体標識したFdにSiRを加えて2次元HSQC測定を行い、SiRとの相互作用に関わるFdの残基の同定と動いたFdのNMRピークの移動度を計算した。NaCl濃度に関係なくSiRとの結合部位は類似していたが、静電・非静電残基が多く存在し、複合体を安定化させていた。しかし、Fdの両末端および[2Fe-2S]クラスタ前の静電・非静電残基は、NaCl濃度依存的な化学シフト摂動を表した。 以上の結果から、①複合体の安定化および親和力の調節に、静電・非静電的相互作用の両方の非共有結合が重要であること②生理的条件に近いイオン強度でのFd:SiR複合体の配向がSiRの活性を最大化することが提案された。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)
-
-
[Journal Article] Physicochemical nature of interfaces controlling ferredoxin NADP+ reductase activity through its interprotein interactions with ferredoxin2015
Author(s)
Misaki Kinoshita, Ju Yaen Kim, Satoshi Kume, Yukiko Sakakibara, Toshihiko Sugiki, Chojiro Kojima, Genji Kurisu, Takahisa Ikegami, Yuji Goto, Toshiharu Hase, Yoko Kimata-Ariga, Young-Ho Lee
-
Journal Title
Biochimica et Biophysica Acta
Volume: 1847
Pages: 1200-1211
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-