2015 Fiscal Year Annual Research Report
PDIファミリー酵素による酸化的フォールディング中間体の認識機構とその生理的意義
Project/Area Number |
13J04030
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥村 正樹 東北大学, 多元物質科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | oxidative folding / PDI / SAXS / 高速AFM |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体には20種類以上ものPDIファミリータンパク質が存在し、それぞれが機能を分担することで小胞体中での酸化的フォールディングが効率よく進行すると考えられている。PDIは形や大きさ、ジスルフィド結合の本数が違う基質フォールディング中間体に働きかけることで、複数の基質に天然型ジスルフィド結合を導入することが知られるが、その分子認識における作用機序は明らかでない。そこで、PDIのX線小角散乱実験を行った結果、PDIの散乱プロファイルは結晶構造から見積もられた散乱プロファイルと一致せず、溶液構造は結晶構造と異なるドメイン配向をもつ可能性を示した。そこで高速AFMによるPDIの1分子動態解析を行った結果、酸化還元状態および基質の結合に依存したPDIの構造制御機構が明らかとなった。すなわち、酸化型のPDIは還元型に比べドメイン間の揺らぎが大きく、この揺らぎを利用してPDIが基質のフォールディングステージに応じて効率よく基質を捕獲し基質にジスルフィド結合を導入することが考えられる。興味深いことに数種のアンフォールド基質存在下において、PDIは基質のフォールディング状態を識別し、アンフォールド状態の基質が存在する時のみ二量体を形成することが本観測により初めて示された。これはPDIが単量体と二量体あるいはそれ以上の会合体の形成と解離を繰り返しており、PDI会合体が形成する空洞の疎水的かつジスルフィド交換反応性に富む環境において、効率的に多様な基質のフォールディングが促進されていると考える。動的光散乱から、変性基質存在下でPDIは二量体あるいはそれ以上の会合体を形成する一方、folded基質存在下でPDIは単量体であることから、PDIは基質のフォールディング状態をセンスし会合することがわかった。これは構造や機能が異なる複数の基質を認識するPDIの機能的役割と構造に関する全く新しい概念である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] One-dimensional sliding of p53 along DNA is accelerated in the presence of Ca2+ or Mg2+ at millimolar concentrations2015
Author(s)
A. Murata, Y. Ito, R. Kashima, S. Kanbayashi, K. Nanatani, C. Igarashi, M. Okumura, K. Inaba, T. Tokino, S. Takahashi, and K. Kamagata
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Journal Title
J. Mol Biol.
Volume: 427
Pages: 2663-2678
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Book] 生物物理2015
Author(s)
奥村 正樹、金村 進吾、稲葉 謙次
Total Pages
3
Publisher
ERp46とPDIの異なる構造と機能的役割