2014 Fiscal Year Annual Research Report
らせんポリキノキサリンのキラルスイッチングを特徴とする高エナンチオ選択的不斉合成
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13J04163
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤井 勇斗 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 触媒的不斉合成 / パラジウム / クロスカップリング / らせん反転 / キラル高分子触媒 / キラルスイッチング / 軸不斉ビアリール / ポリキノキサリン |
Outline of Annual Research Achievements |
不斉鈴木-宮浦クロスカップリングは、軸不斉ビアリールの合成において最も直接的かつ信頼性の高い手法の一つである。しかしながら、基質の適用範囲は限られており、1-ブロモ-2-ナフトエ酸エステルのクロスカップリングにおいて有効なキラル触媒は未だ開発されていなかった。本研究において、キラルらせん構造を有するポリキノキサリンの側鎖に配位性部位を導入した高分子配位子PQXphosが、上記の反応において高いエナンチオ選択性で生成物を与えることを見出した。 パラジウムとPQXphosから調製した触媒の存在下、1-ブロモ-2-ナフトエ酸エステルと1-ナフタレンボロン酸のクロスカップリング反応を行った。アリールブロマイドのエステル上の置換基を検討した結果、2,4-ジメチル-3-ペンチルエステルが最もよく、87% eeでS体の軸不斉ビナフチルが得られた。基質適用範囲としては、1-ナフタレンボロン酸誘導体の他に2-トリルボロン酸誘導体が適用可能であり、最高97% eeで生成物が得られた。 この軸不斉ビアリールのエステル部位は、還元反応や加水分解反応により容易に変換でき、対応するアルコールやカルボン酸を光学純度の低下を伴うことなく合成することができた。また、らせん高分子配位子PQXphosの特徴である溶媒による主鎖のらせんキラリティ反転を用いることで、本反応においても溶媒による両エナンチオマーの高選択的作り分けを達成した。さらに、触媒の再利用についても検討を行い、エナンチオ選択性の低下を伴うことなく2回の再利用を達成した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)