2014 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎不全モデルマウスにおける肝CYP3A11発現変容機構の解明
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13J04175
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濵村 賢吾 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性腎障害 / CYP3A11 / 時計遺伝子 / レチノール |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病 (Chronic Kidney Disease; CKD) モデルマウスの腎臓を対象に、腎機能悪化に及ぼす肝臓薬物代謝酵素 (シトクロムP450; CYPs) 発現低下の影響を、主要なビタミンAの一種であるレチノールに着目し検討した。申請者は過去の研究において2つのことを明らかとした。1つは、CKDモデルマウスにおける血中レチノール濃度の上昇が肝臓CYPsの低下により生じること、2つめに、このCYPsの低下は血中に存在するサイトカインtransforming growth factor β1 (TGF-β1) が、体内時計の分子機構を変容させることで生じることである。しかしながら、CKD時における過剰なレチノールの蓄積が生体内に及ぼす影響は依然不明であった。本研究のCKDモデルマウスの腎臓を用いた検討で、レチノールがTGF-β1の発現を亢進させることで、腎線維化を介した腎機能悪化に寄与する分子機構を明らかとした。 レチノールが、肝臓にて発現が上昇していることを踏まえると、TGF-β1による腎-肝連関、レチノールによる肝-腎連関を組み合わせて、腎-肝-腎連関が腎障害時には生じており、その過程で体内時計の機能異常が関与している分子機構を明らかとした。またCKDの治療方法に関して、食事療法と薬物療法とを組み合わせて行われている。今回のCKDモデルマウスを用いた検討において、レチノールの食事制限による腎機能悪化抑制の可能性が示唆されたことから、レチノールがCKD時の食事療法の新規制限因子として抽出された。本研究で得られた成果は、CKD時における病態解明及び予防法の開発のみならず、体内時計の分子機構を基盤とした新たな創薬の可能性を示すものである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)