2014 Fiscal Year Annual Research Report
液中レーザープラズマの生成メカニズムの解明とその場元素分析への応用
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13J04184
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 文香 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザー誘起ブレークダウン分光法 / レーザーアブレーション / 液相レーザーアブレーション / レーザープラズマ / 発光分光分析 / キャビテーションバブル / 気泡 / その場分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中レーザー誘起ブレークダウン分光法によるその場元素分析法の確立に向けて、以下の成果を得た。 1. ロングパルス(パルス幅約100 ns)を照射することによって、水中でも発光線が明瞭になるメカニズムの解明を行うために、パルス間隔が約80 nsと短いダブルパルス照射でロングパルスを模擬し、発光の挙動とレーザーのプロファイルを比較した。照射したレーザーのパルス波形が分離していると、第2パルス照射前に一度プラズマの発光が減衰し、変形したスペクトルが得られた。一方、連続的な場合、プラズマの発光は減衰せず、明瞭な発光線が得られた。これらの結果から、パルス前半で生成されたプラズマを継続的に励起することが、明瞭な発光線を得るために重要であるとわかった。 2. 生成初期の気泡とプラズマの関係を調べるために、レーザー照射中に気泡とプラズマを同時に観測し、スペクトル形状への影響について検討した。パルス幅が100 nsの場合、20 nsと比較して、照射中に気泡が大きくなり、その後もレーザーが照射されていた。パルス幅が長いほど先鋭な発光線が得られるのは、十分大きな気泡中でレーザー後半部が照射されることで、プラズマ加熱時の周囲の水による冷却が抑制され、液中でも密度の低いプラズマが生成できるからであると考えた。 3. 気泡中の物質の挙動を解明するために、レーザー誘起プラズマを背景光として気泡内部に入射し、透過スペクトルを測定した。Al原子の吸収線は、スーパーコンティニウム光(SC光)と比べてほぼ毎回安定して観測することができた。これは、背景光であるプラズマの発光が、SC光よりも平滑な連続スペクトルを示したためである。スペクトルを解析することで、プラズマ消光後の気泡内に存在する基底状態原子の密度の絶対値を求めることに成功した。原子密度の時間変化は、気泡内の温度変化によるクラスター化の進行により説明することができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)