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2014 Fiscal Year Annual Research Report

ミトコンドリアを介するグルタミン酸神経毒性

Research Project

Project/Area Number 13J04206
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

藤川 晃一  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
KeywordsSLE / NMDA受容体 / 細胞内カルシウム濃度 / ミトコンドリア内カルシウム濃度
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、全身性エリテマトーデス(SLE)に伴って生じることが知られている神経障害に着目し、独自に開発した細胞内イメージング技術を利用して、SLE患者の血清中より精製したIgG抗体を用いてNMDAR活性に対する影響についての検討を行った。そこで、SLE患者血清中から精製したIgG抗体を用いて、抗NMDAR抗体の受容体活性に与える影響の評価を行った。
人工的にNMDA受容体を強制発現させたHEK293細胞を用いて、『健常者IgG』、『抗NMDAR抗体陰性SLE患者IgG』および『抗NMDAR抗体陽性SLE患者IgG』のNMDA受容体に対する影響を評価する目的で、細胞内Ca2+濃度およびミトコンドリア内Ca2+濃度の検討を行った。NMDAR強制発現HEK293細胞に細胞内Ca2+蛍光指示薬Fluo-3とミトコンドリア内Ca2+蛍光指示薬Rhod-2 を取り込ませた。その後、recording mediumにて5分間洗浄し、各種IgGを1 μg/mLの濃度で含んだrecording medium中で1時間反応させ、平衡化を行った。そして、10 μM グリシン存在下でNMDAを曝露することで上昇する細胞内Ca2+濃度およびミトコンドリア内Ca2+濃度に伴うCa2+蛍光指示薬の蛍光強度変化を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。
その結果、『抗NMDAR抗体陰性SLE患者IgG』を適応した群においては、『健常者IgG』を適応して群と比較してNMDA曝露による細胞内Ca2+濃度上昇およびそれに付随するミトコンドリア内Ca2+濃度上昇に有意な差は認められなかった。しかし、『抗NMDAR抗体陽性SLE患者IgG』を適応した群では、『健常者IgG』と比較してCa2+濃度およびミトコンドリア内Ca2+濃度が有意に上昇した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、全身性エリテマトーデス(SLE)に伴って生じる神経障害に着目し、細胞内イメージング技術を用いて、SLE患者の血清中より精製したIgG抗体のNMDAR活性に対する影響についての検討を行った。
その結果、SLE患者の血清中に含まれる抗NMDA抗体はNMDA受容体に作用することによって、NMDAによるNMDA受容体の活性化を増強する働きを有する可能性が示された。このことから、SLE患者では、抗NMDA抗体の働きによってグルタミン酸による神経細胞毒性が増悪されている可能性が示唆された。

Strategy for Future Research Activity

今後は、今回用いた評価系や初代培養神経細胞を用いた評価系により、SLE患者の血清中に含まれるNMDA受容体に対する免疫抗体の機能に影響を与える化合物の探索研究を行う予定である。この自己免疫抗体の機能を抑制する化合物の発見は、SLE患者における神経障害の有用な治療薬の開発につながると考えられる。

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Published: 2016-06-01  

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