2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J04346
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅沼 春彦 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 振動発電 / エレクトレット / 強誘電体 / 電気2重層 |
Research Abstract |
自律型ワイヤレスセンサーネットワークの小型センサー向け電源として、ピエゾ電気2重層エレクトレットを用いた静電誘導型の振動発電素子を提案し、その発電量の向上および信頼性の評価を行った。 1. 発電量とピエゾ電気2重層エレクトレットの表面電荷密度および厚さの関係の調査発電量の向上には、ピエゾ電気2重層エレクトレットの表面電荷密度および厚さの増加により外部電界を強める方法が有効であることが理論から予想された。そこで、強誘電体材の分極電界強度と厚さを変え、その表面電荷密度および厚さと発電量の関係を調査した。分極電界強度は2kV/㎜および4kV/㎜の2条件、厚さは0.1, 0.5, 1.0㎜の3条件を調査した。予想の通り, 表面電荷密度および厚さの増加により外部電界は強まり, 振動発電量は外部電界強度に対して指数関数的に増大することが分かった. 更に, 縦型振動発電評価(加振加速度0.5G, 周波数20Hz)より、表面電荷密度-12mC/m^2、厚さ1mmのピエゾ電気2重層エレクトレットから従来のポリマーエレクトレットより3倍高い発電密度が得られた。 2. ピエゾ電気2重層エレクトレットの材料種と表面電荷密度の経時変化の関係の調査従来のポリマーエレクトレットと比較して、ピエゾ電気2重層エレクトレットは表面電荷密度の経時劣化が大きく低い信頼性が課題であった。原因として、材料中の欠陥から生成されるキャリアによる外部電界の遮蔽、ドメイン壁の移動による脱分極の2点が想定された。そこで、PMN-PT単結晶材およびPZT系ハード材からピエゾ電気2重層エレクトレットを作製し、表面電荷密度の経時変化を調査した。その結果、ハード材の表面電荷密度の経時劣化が小さく、より高い信頼性を示した。表面電荷密度の経時劣化は主としてドメイン壁の移動による脱分極であり、ハード材の適用が有効であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に基づき、発電量とピエゾ電気2重層エレクトレットの表面電荷密度および厚さの関係、ピエソ電気2重層エレクトレットの材料種と表面電荷密度の経時変化の関係を明らかにした。当初、単結晶材が最も優れた特性を有すると予想していたが、材料の結晶性よりもドメイン壁の動き易さが発電量および信頼性から重要であるという新しい知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
ピエゾ電気2重層エレクトレットを用いて小型センサーに組み込み可能な振動発電素子を作製し、小型センサーの電源に必要とされる発電密度~10μW㎤を目指す。本年度の研究成果を基に、ピエゾ電気2重層エレクトレットはハード材より作製する。また、目標の発電量を達成するには環境中の微小振動から大変位を起こす構造が必要である。そのような構造をSUS箔材より作製する予定である。
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