2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規光学技術によるシナプス構造可塑性を担う分子構造の解明
Project/Area Number |
13J04607
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
後藤 明弘 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Cofilin / LTP / CALI / 光操作 / 記憶の操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
シナプスでは構造的LTP(sLTP)を起こした後、Cofilinがその維持に重要であると考えられている。近傍のタンパク質を不活化できるSuperNova(SN)とCofilinの融合蛋白質(CFL-SN)によってCofilinを不活化すると、sLTP誘導後にスパインが縮小し、sLTPが特異的に解除されることを見出した。sLTPを起こしていないシナプスやsLTP後50分以上経過したシナプスには影響はなかった。またsLTP誘導前にCALIを起こしてもsLTPは阻害されなかった。スライスを用いた以上の結果から、本年度は上記の手法をマウスの脳内に応用することによって、LTP後のシナプスでのみ光によってLTPを解除する手法を開発した。 CofilinをCre依存的に発現させるため、CFL-SNをfloxで発現制御可能なアデノ随伴ウイルス(AAV)を作成し、CaMKII-Creのマウスの両側海馬CA1領域にインジェクションし、CFL-SNを神経細胞特異的に発現させた。次に光を海馬CA1に照射するための光ファイバーのカニューレを両側背側海馬直上に装着した。記憶を検討するための学習課題は、比較的短時間で行えるInhibitory Avoidance Test(IA)を用いた。 マウスに麻酔をかけてレーザーと接続し、その後30分間回復させてからIAテストを行った。ホームケージに戻してから2分後に559nm照射をした結果、光を照射しなかった場合に比べて、暗箱へ入るまでの遅延が抑制された。さらに、光照射を行動実験の1分前に行っても記憶への影響は見られなった。この結果は、CALIがLTP後のスパインのみに影響することを示唆している。以上、本年度はこれまでのスライス実験結果に基づき、一度成立したLTPを光学的に解除する方法の開発に成功した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)