2013 Fiscal Year Annual Research Report
黒毛和種由来ウシiPS細胞の樹立とゲノム多型評価系の構築
Project/Area Number |
13J04781
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片山 雅史 東北大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | iPS細胞 / ウシ / 初期化 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
本研究では、ウシ(特に黒毛和種)由来のiPS綱胞の樹立と遺伝子多型評価系の構築を目的に研究を行っている。 京都大学の山中教授の研究グループからiPS技術が発表された以降、様々な動物種においてiPS細胞が樹立されている。一方でウシにおいても多くの研究者によって幹細胞の樹立が試みられたが、品質の高いiPS細胞の樹立は報告されていない。本研究でに、ウシ由来、特に黒毛和種由来iPS細砲の樹立を行う。さらに樹立したiPS細胞を利用して、ゲノムの任意の場所に存在する一塩基多型を導入する技術を確立する。本研究の目的は、優秀なウシ個体を無限に利用する遺伝資源を作ること、産業動物で検出されたSNPの導入技術を作り、家畜の改良に重要な遺伝多型の評価系を構築することを目的としている。 当初の本年度の目標はウシiPS細胞の樹立条件の最適条件の探索を目標に設定した。前述のようにウシのiPS細胞の樹立条件の洗い出しは難航が予想されていたため、本年度はその最適条件の探索を目標に設定していた。本研究では、山中因子と呼ばれるOct3, Sox2, Klf4, c-mycに加えて、様々なリプログラミング因子を加えることでウシiPS細胞の樹立を目指している。本年度は様々なリプログラミング因子を組み合わせて、樹立条件の洗い出しを実施した。様々な条件検討の結果、ウシ由来のiPS細胞が樹立出来る可能性が見いだされた。したがって、本年度の目標を達成することが出来た。次年度以降は当初め予定通りに前年度に洗い出きれた樹立条件を利用して、iPS細胞の樹立をおこない、さらに遺伝子多型評価系の樹立に繋げる予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、ウシのiPS細胞の樹立のための至適条件の探索を実施した。その結果、至適条件の洗い出しに成功した。本年度の予定では至適条件の洗い出しまでを設定していたため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度に洗い出したiPS細胞樹立のための至適条件をもとに黒毛和種由来のiPS細胞の樹立を試みる。その後、樹立したiPS細胞の詳細な機能解析を実施する。本年度の予定は黒毛和種体細胞由来のiPS細胞の樹立まてとし、来年度にゲノム多型評価系を樹立することとする。
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