2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜上皮における新規イオンチャネルの網羅的発現解析とその機能の解明
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13J04959
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 直紀 新潟大学, 医歯学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歯肉上皮細胞 / TRPチャネル |
Research Abstract |
年次計画に則り、以下の項目に関して検討を行った。 1)歯肉組織中におけるTRPチャネルタンパク遺伝子の網羅的発現解析 歯周組織中における各種TRPチャネルタンパクの発現解析を行った。インフォームドコンセントの得られた患者より、歯周外科手術時もしくは抜歯時に歯肉組織を採取し、通法によりmRNAを抽出した。cDNAを合成した後、ヒトのTRPチャネルタンパクに特異的なプライマーを用いてPCRを行い、それらの遺伝子発現の有無を網羅的解析を行った。C57BL/6Jマウスより歯肉組織を採取し、同様にmRNAを抽出し、cDNAを合成した後、マウスのTRPチャネルタンパクに特異的なプライマーを用いてRT-PCRによりそれらの遺伝子発現の有無を網羅的に解析した。その結果、ヒト及びマウス歯周組織においてTrpv1,2,3,4,6が遺伝子レベルで発現していることが確認された。これらの中で、神経組織以外での発現が報告されており、炎症性疾患との関連が強く示唆されているTrpv1がマウス歯周組織に発現しており、特に上皮層に強く発現していることが免疫組織染色により確認された 2)歯肉上皮細胞におけるTrpv1発現の解析 上述の結果より、歯肉上皮細胞におけるTrpv1の発現が示唆されるため、in vitroにおいて更なる解析を行った。具体的にはヒト歯肉上皮初代培養細胞、ヒト歯肉上皮細胞株epi4(大阪大学大学院歯学研究科 村上伸也教授より供与)、またマウス歯肉上皮細胞株GE-1(理化学研究所バイオリソースセンターより供与)におけるTrpv1の遺伝子発現をPCR法にて解析を行った。全ての細胞種においてTrpv1が遺伝子レベルで発現していることが確認された。またepi4におけるTrpv1タンパクの発現をウェスタンブロット法にて検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分に研究時間を確保できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、歯周炎の病態形成におけるTrpv1の機能解析を進めるとともに、研究結果は国際学会で発表し、同分野の研究者からアドバイスを頂く予定である。
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