2013 Fiscal Year Annual Research Report
希土類添加アルミニウム系ペロブスカイト型酸化物の発光解析と応用
Project/Area Number |
13J05026
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 雄平 九州工業大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ペロブスカイト型酸化物 / 希土類 / エネルギーレベル / 発光デバイス |
Research Abstract |
本研究では、基礎研究として、III-III系(Al系)ベロブスカイト型酸化物のバンドギャップに対する希土類イオンのエネルギーレベルを明らかにすることを目的とする。平成25年度においては、III-III系ペロブスカイト型酸化物のYAIOを母体材料としてGd, Euなど一連の希土類イオンを添加した解析用サンプルを作製すること、および作製したサンプルに対して基礎的な光学測定や解析を行った。解析用YAlO_3粉末サンプルを固相反応法により作製した。得られたサンフルに対して蛍光/励起スペクトルや光吸収スペクトルを測定した。特に、Gd-Pr共添加YAlO_3は、Gdからの強い紫外発光を示すことが分かった。Eu添加YAlO_3の励起スペクトルには、CTSに帰属されるピークが観察された。CTSのエネルギー位置は、価電子帯上端とEu^<2+>基底状態間のエネルギー差を示し、酸化物母体中の希土類イオンのエネルギーレベルの決定にあたり基準となる重要な情報である。平成25年度の研究により、YAlO_3,中の希士類イオンの代表的なエネルギーレベルに関する基礎的な情報が得ることが出来た。 本研究の応用研究は、基礎研究で得られた知見をもとに、デバイス化に有望なIII-III系(Al系)ペロブスカイト型酸化物蛍光体を探索・選択し、その蛍光体薄膜を用いた無機ELデバイスを試作することである。基礎研究においてGd-Pr共添加YAlO_3がGdからの強い紫外発光を示したため、Gd発光中心のYAlO_(3)を選択し、ELデバイス化の予備実験として薄膜の作製を試みた。所属研究室においてスパッタリング法よる製膜を行い、産業技術総合研究所においてPLD法での製膜を行っている。作製した薄膜サンプルの結晶相や発光を調査しており、デバイスの実現に向けて検討が進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
YAlO_(3)に関して、希上類イオンの基礎的なエネルギーレベルに関する情報を得ることが出来た。また、応用研究にも着手し、薄膜を得ることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究に関しては、より正確なエネルギーレベルを求めるために、固相反応法と比較して欠陥が少なく、組成均一性や結晶性の高い液相法で解析川サンプルを作製し、その測定を進めながら解析する。応用研究に関しては、薄膜のCL、測定など、デバイス化に向けた測定を実施していく。
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