2015 Fiscal Year Annual Research Report
分子プローブ型キラルデンドリマーアミン配位 Gd-MRI 造影剤の合成と機能評価
Project/Area Number |
13J05096
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 由花 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | Gd-MRI造影剤 / ポリエチレングリコール / キラリティー / 分子イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成 27 年度は、末端に活性エステル基を有する平均分子量 2,000 および 5,000 の PEG鎖がデンドリマー末端の 6 つのアミノ基全てに導入された新規造影剤(1)(2)の合成に成功した。 次に、合成した新規造影剤(1)、(2)の in vitro でのT1 短縮能を評価した結果、新規造影剤 (1)、(2) は、臨床用 Gd-MRI 造影剤Magnevistの約 5 倍、および 2 倍の高い 1H 縦緩和能を示した。しかしながら、1 つだけ PEG 鎖を導入した造影剤 (3)と比較すると、緩和能は低い値に留まった。この結果は、分子量の大きな PEG 鎖が導入されることにより、造影剤の分子サイズが増大し、造影剤分子の回転速度が抑制される効果よりも、 PEG 鎖が 6 つ導入されたことにより、Gd 金属周りが立体的に混み合い、Gd への水分子の配位が妨げられ、結果として水分子の交換速度が遅くなる効果の方が、水の縦緩和能 r1 に大きく反映されたためと考えられる。 さらに、新規造影剤 (1)、(2) の担癌マウスを用いた in vivo MRI を撮像し、体内動態と癌への集積能を評価した。その結果、造影剤 (1)では投与24 時間後にマウスで癌部位のコントラストの向上が認められた。さらに、投与24 時間後にマウスを犠牲死させ、癌部位の Gd 量を原子吸光光度計で測定した結果、新規造影剤 (1)、(2) では投与量の約 5 %が EPR効果により癌部位に集積していることが明らかとなった。新規造影剤 (1)、(2) はいずれもがん組織への集積が確認されたが、新規造影剤 (1) の方が (2) よりも緩和能が高いため、 MRI でのがんの検出には新規造影剤 (1) が有効であると考えられる。 以上より、本研究では、最終目的である“分子プローブ型キラルデンドリマーアミン配位 Gd-MRI 造影剤の合成と機能評価”について、EPR 効果に起因する受動的ターゲティング能を有する新規 Gd-MRI 造影剤の開発に成功した。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)