2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J05222
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 恵 新潟大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | B中間子 / CP対称性の破れ / 超対称性模型 |
Research Abstract |
本研究の目的は、B中間子における新しい物理の探求を通して、素粒子標準模型を超える理論を探りその証拠を見出すことである。 今年度は、新物理の中でも超対称性模型に焦点をあて、超対称性模型がB中間子崩壊の物理量へ与える影響を系統的に調査した。その結果、いくつかのCPasy㎜etryは超対称性模型の影響を強く受けることがわかり、将来実験の精度向上によって、模型の検証可能性があることを示した。 以上の研究から、以下のような結論が導かれた。 1. K中間子のCP非対称性εKとBd中間子のCP非対称sin (2β)の間で矛盾がある可能性(εK―sin (2β)テンション)が指摘されてきたが、スクォークのフレーバー混合の寄与で説明できた。 2. Bd中間子の非レプトン崩壊モードにおけるCP非対称は、クォーク・スクォーク・グルイーノ相互作用によって標準模型の予言値より大きくなり得る。 3. Bs→ΦΦ崩壊におけるCP非対称は標準模型の理論値から大きくずれる可能性がある。このCP非対称は今後LHCbでの精密測定によりテストされる。 4. Bd中間子とBs中間子のSemi-leptonic崩壊におけるCP非対称は、標準模型の予言値から大きくずれる可能性がある。近い将来、稼働予定のBelleII実験での精密測定において、重要なテストとなる。 この手法を発展させ、Bs->K+K-、KOKO崩壊でのTime dependent CP asymmetry、そしてDirect CP asymmetryへの超対称性模型の影響も調査し、Bs->K+K-崩壊でのTime dependent CP asymmetry等が標準模型の予言値からずれる可能性があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Bs->K+K-、K0 K0崩壊へのCP asymmetryへの超対称性模型の影響の解析は、当初計画していなかったものであり、計画以上の進展が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
超対称性粒子の質量下限値が、今後更に上昇することが予想されることを踏まえ、B中間子崩壊のどの物理量が重い超対称性粒子の寄与に一番敏感であるか、系統的に調べていくことを今後の目標とし、研究を継続している。
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Research Products
(14 results)