2014 Fiscal Year Annual Research Report
初期エンドソームにおける脂質膜ダイナミクス分子機構の解析
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13J05241
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
逸見 祐次 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞内輸送 / 初期エンドソーム / 脂質膜 / 細胞内pH |
Outline of Annual Research Achievements |
初期エンドソームは細胞外から取り込まれた物質を分解経路あるいはリサイクリング経路へ選別する細胞内小器官である。初期エンドソームから細胞膜へのリサイクリング経路の輸送機構は、一般的な小胞を介した輸送とは異なり、効率よく脂質膜をリサイクルするためにチューブ状膜構造を形成することが知られている。このチューブ状膜構造を介した輸送は様々な疾患と関与することからもその分子機構解明が望まれるが、その形成や切断の分子機構は多くの部分が解明されていない。 前年度までの研究で、初期エンドソームからの輸送を制御し、チューブ状膜構造の形成を担う遺伝子としてEHDを同定し、ホスファチジン酸(PA)との強い結合を見出した。一方、PA産生に関わる脂質代謝酵素の阻害剤処理によって、EHDのチューブ局在や初期エンドソームからの輸送遅延が認められたことから、この制御にEHDとPAが関与することを見出した。 当該年度でEHDとPAの結合についてさらに解析を進めた結果、PAとの結合に327番目のリシンが重要であることを見出した。さらに精製したEHDタンパク質とPA含有リポソームの反応によってチューブ状膜構造の形成が認められた。 PAは周囲のpHによってタンパク質との結合を変化させることが報告されており、細胞内pHによってEHDとPAの結合が制御されている可能性が考えられた。そこで前年度に細胞内pHによる影響を調べたところ、初期エンドソームのチューブ局在や初期エンドソームからの輸送に明らかな影響が見られた。当該年度では、細胞内pHインジケーターであるBCECFを用いて同実験条件下で細胞内pHが酸性化されていることを確認した。 以上の結果から、EHDはPAとの結合を介して初期エンドソームからのリサイクリングを制御すること、その制御に細胞内pHが関与している可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)