2014 Fiscal Year Annual Research Report
力と速度の相互統合伝達を伴うバイラテラル制御法の新展開
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13J05244
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
溝口 貴弘 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハプティクス / 力率 / バイラテラル制御 / インピーダンス / モーションコントロール / アナロジー / 透明性 / 力触覚通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は力情報、速度情報から機械系におけるインピーダンスおよびアドミタンスの概念の定義、またその活用を目的としている。運動方程式に定義されているように、ものの運動は力と速度の2つの双対な変数によってなりたっている。これは回路系における電圧、電流の関係と類似しており、回路解析の手法がそのまま運動の解析に適応可能であることを示している。また、前年度の研究では力率という概念を用いることでこれらの情報を統一的に評価可能であることを示した。本年度の研究では特に、力率の概念の多自由度応用と導出理論の簡略化、およびバイラテラル制御系への応用について3つの研究成果を得た。 1. 機械系における力率は多自由度化が可能であり、電気系の概念では存在しない軸間の干渉が発生する。本研究では軸間の干渉を実験により計測し、それが及ぼす影響をインピーダンスの大きさ、および位相の観点から検証した。一方、多自由度化においては短時間フーリエ変換の多軸処理による大きな計算負荷が課題となった。 2. 1.で述べた通り、短時間フーリエ変換の多軸実装には再帰処理の多層化という技術的な課題が発生し、力率の導出には制御周期や計算時間に猶予をもたせて制御性能を下げざるを得ないという結果が得られた。本研究では短時間フーリエ変換を用いず、機械系での瞬間的な応答を直流信号であると近似することで圧倒的に短い時間で同精度の計算処理を可能とした。 3. バイラテラル制御の評価指標としては透明性と呼ばれる概念が用いられているが、定常特性であるため実験的な比較には難点があった。本研究では実験値から伝達される力率情報の比較を行い、遠隔地の力触覚が適切に操作者に伝わっているかを評価した。 また、本事業で得た成果を博士論文の一部として収録、慶應義塾大学に提出し、博士(工学)の学位を得た。優秀研究活動賞(博士)を受賞し研究活動が評価された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
優秀研究活動賞(博士)、慶應義塾大学、2015年3月30日 The best presentation in session, The Institute of Electrical Engineers of Japan, SAMCON2015, 2015年3月10日
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 運動における力率2015
Author(s)
溝口貴弘、大西公平
Organizer
第9回生体機構運動制御協同研究委員会
Place of Presentation
慶應義塾大学(神奈川県・横浜市)
Year and Date
2015-01-29 – 2015-01-29
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